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物価高の救世主?お値ごろ「ちくわぶ」 1本でカヌレとチュロスにぜいたく節約スイーツ

産経ニュース / 2024年6月16日 9時0分

ちくわぶをバターでこんがり焼いてチュロス風おやつに(相川直輝撮影)

おでんの具材で知られる「ちくわぶ」。小麦粉でできた練りもので、安くて味がほぼないのが特徴だ。それが「ちくわぶ料理研究家」と称する丸山(本名・大貫)晶代(あきよ)さん(54)の手にかかると、カヌレやチュロスのようなスイーツに化ける。創作レシピは実に500通り。魅力を普及させたいと活動を続けている。

東京以外では無名…

東京生まれの丸山さんにとって、ちくわぶは、幼い頃から食べ慣れた定番の食材だ。ところが約13年前、他県出身の友人とおでんの話になったとき、ちくわぶが主に東京近辺で、しかも「おでんの具」としてしか食べられていないと聞き、寝込むほどの衝撃を受けた。「こんなにおいしいものを知らない人がいっぱいいるなんて。私が伝えなければ」と心に決め、ちくわぶ料理研究家として活動を始めた。

ちくわぶの原料は小麦粉。起源は諸説あるが、丸山さんによると、明治末期から大正初期の頃、京都の精進料理の食材「生麩(なまふ)」にヒントを得て、東京のこんにゃく店が製造を始めたというのが有力という。小麦粉をこねて竹や金属の棒に巻き付けて蒸し、ちくわに似せた食品で「何も味がない」(丸山さん)。逆に「それが魅力で、調理の仕方で形も食感も変わり、メニューの幅が広がる。料理が好きなので、ちくわぶの魅力を無限大に引き出したかった」と創意工夫し、今ではレシピが500以上になった。

モチっと絶妙な食感

一番人気は、フランスの焼き菓子「カヌレ」風のレシピ。仏語で「溝のある、ギザギザした」という意味で、「ちくわぶもギザギザしてるじゃんと思った」。

カヌレのように、「外側をカリッとさせたらできるんじゃないか」と、バター、ラム酒、メープルシロップ、バニラエッセンスを絡めながら焼いたところ、「一発でカヌレになった」。外はパリッ、中はモチッとした絶妙な食感も出せた。

ちくわぶ愛が高じて、10月10日を「ちくわぶの日」と日本記念日協会に登録。「1」をちくわぶ、「0」をその穴に見立てた。

令和4年のちくわぶの日に、食堂「ごはんねこまる」(東京都北区)を開店。月1度、いずれかの日曜には「ちくわぶカフェ」を催す。焼いたちくわぶをナン代わりに添えたカレーや、ちくわぶをカヌレやチュロス風にしたもの、あんみつなどを供する。

目指せコンビニの「スナック」棚

最近は、健康志向の広がりで、腸内環境に影響するとされる小麦由来のタンパク質「グルテン」をなるべく取らない食生活が注目されている。小麦粉が原料のちくわぶ普及には逆風だ。

丸山さんも「グルテンフリーの考え方には大賛成」とした上で、「おいしいものを食べるのは人生の喜び。ちくわぶをおいしく食べることも、一番簡単に幸せになれる方法の一つ」と、バランスのよい食事を心がけながら、ちくわぶ料理を楽しんでいる。

なにより食品の値上げが相次ぐなか、1本100円ちょっとで買えるちくわぶは食卓の味方だ。1本あれば、半分はカヌレ風に、もう半分はチュロス風にと、おやつ作りが楽しめる。ちくわぶカヌレはテレビのバラエティー番組で、出演者に味を褒められたという。

目指すのは、「コンビニのホットスナックの棚」にちくわぶを使ったスナックを並べること。特にちくわぶになじみのない関西の人に、おいしさをもっと知ってもらいたいという。(松本恵司)

ちくわぶスイーツの作り方

まず加熱

容器にちくわぶと、かぶるくらいの水を入れ、ラップをゆるくかけ、600ワットの電子レンジで5分加熱。

カヌレ風に

材料

ちくわぶ(½本を3等分に、加熱しておく)

ラム酒(ダーク、大さじ½~1)

バニラエッセンス(適量)

メープルシロップ(大さじ1)

バター(10グラム)

作り方

小さめのフライパンにすべての材料を入れ、転がしながら弱火で3~5分、軽く焦げがつくくらいまで焼く。

チュロス風に

材料

ちくわぶ(½本、加熱しておく)

バター(10グラム)

シナモンシュガー(適量)

作り方

バターを溶かしたフライパンでちくわぶをこんがりとするまで転がして焼く。皿に移し、シナモンシュガーをまぶす。

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