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道に迷った80代女性の手元に300万円入りの茶封筒「詐欺ちゃうか」見抜いた街の自警団

産経ニュース / 2025年1月29日 9時0分

特殊詐欺を看破し感謝状を受け取る関戸正康さん=1月23日午後、大阪市東淀川区

すんでのところで大金を奪われる特殊詐欺被害を食い止めたのは、街を見守り続けた自警団だった。大阪府警東淀川署は23日、現金300万円がだまし取られる詐欺被害を食い止めたとして、柴島第一振興町会の防犯パトロール隊と隊長の関戸正康さん(76)に感謝状を贈呈。森幹雄署長は「毎週パトロールをしていただいているからこそ看破できた事件。地域にこうした団体がいるのは心強いこと」と感謝を示した。

「この場所に行きたいのですが」。昨年12月4日午後8時半、関戸さんら約10人が地元の大阪市東淀川区柴島でパトロールをしていると、高齢の女性が不安げにタクシーから降りて紙切れを見せた。書かれていたのは、その場から歩いて2分ほどの住所。何をしにそこに行くのかを尋ねても歯切れが悪く、近くにある同パトロール隊の拠点施設で話を聞くことにした。

東淀川署によると、女性は80代で大阪市淀川区在住。前日の夕方に息子を名乗る人物から電話があり「浮気相手を妊娠させて示談金が500万円必要」と言われた。息子は風邪で声が変わっているうえに携帯電話を水没させて電話番号を変更したと話し、指示した場所に向かうようにと説明したという。

その後、女性は弁護士と名乗る人物と交渉するなどし、持参するのは300万円でよいことに。関戸さんらと会ったときは、お金を包んだ茶封筒と菓子折りを持っていた。

「詐欺ちゃうか」との考えが頭をよぎった関戸さんは女性から息子を名乗る人物の連絡先を聞き、自らの携帯電話で連絡。相手は名乗らず、男2人が遠くで「違う」「違う」と話す声が聞こえ、電話は切れた。関戸さんは「知らない番号からの着信で、焦っていたのでは」と推測する。

詐欺だとの確信を強めた関戸さんは、水没して使えないと聞かされていた息子の番号に電話。息子は電話に出てあっさりと疑惑を否定し、特殊詐欺の看破に至った。だまされたと気づいた女性は持参したお茶を飲んでようやく一息つき、「おおきに」とお礼を述べたという。

関戸さんが所属するパトロール隊は、東淀川区にあった柴島警ら連絡所の閉鎖に伴い平成20年に結成。以来、月に4回のパトロールを16年間欠かさずに行ってきた。体調不良でうずくまる通行人を介抱したこともあったといい、関戸さんは「今後もパトロールを継続し、地元の治安を守っていきたい」と力を込めた。(鈴木文也)

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