1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. カルチャー

遅い梅雨入りに豪雨警戒、短期集中型で災害に懸念 猛暑の可能性も 専門家は注意呼びかけ

産経ニュース / 2024年6月19日 20時55分

例年になく梅雨入りが遅れている。19日時点で気象庁が梅雨入り宣言したのは、四国や九州など。その他も今週末ごろに梅雨入りするとみられるが、地域によっては昨年と比べ2週間以上遅く、観測史上の記録を更新する可能性もある。専門家は、梅雨入りが遅い分、短期集中型の豪雨による自然災害の発生や、梅雨明け後に猛暑になる懸念もあるとして注意を呼びかけている。

九州北部が梅雨入りしたのは17日。気象庁によると、昨年より19日遅かった。沖縄、奄美、九州北部、同南部、四国はいずれも平年より4~13日遅れとなっている。

日本気象協会の気象予報士、小田美穂氏は「下がっていた梅雨前線が22~23日には西日本から東日本に停滞する」とし、近畿や関東甲信も梅雨入りする可能性を予測。ただ、22日に梅雨入りとなれば、昭和26年の統計開始以降、関東甲信は42年と平成19年に並んで過去最も遅く、近畿は過去3番目に遅い梅雨入りになる。

小田氏によると、梅雨入りが大幅に遅れている主な要因は、列島の東に位置する太平洋高気圧の張り出しが弱いこと。インド洋熱帯域の海面水温が高く積乱雲が多く発生し、それらがフィリピン付近で低気圧となり、太平洋高気圧が西へ張り出す形に。例年のように梅雨前線が北に向かわずとどまり、こうしたことから遅れが生じているという。

ただ、梅雨入りが遅れれることによって梅雨明けもずれ込むわけではない。梅雨入りが遅れ、期間が短くなれば雨量が減ると思われがちだが、同庁は、6~7月の雨量は西日本では例年並みか多い見込みと予測。梅雨入りが遅れて期間が短くなる分、短期間に集中して豪雨となる可能性もある。

一方、このような状態は、梅雨明け後に猛暑となる恐れもあるという。南米ペルー沖の海面水温が低くなる「ラニーニャ現象」の発生率が高く、記録的な気温上昇を招くとの見方もある。

近年で関東甲信の梅雨入りが最も遅かった平成19年も同現象が発生。これによって岐阜県多治見市と埼玉県熊谷市が同日に気温40・9度を観測し、74年ぶりに当時の最高気温の記録を塗り替えた前例がある。

小田氏は「大雨への備えを怠らないとともに、気温が高いだけでなく、湿度が高い状態が続くと熱中症のリスクが高まるため、注意してほしい」としている。(五十嵐一)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください