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中央官庁情報 防衛省 世界情勢を見据えて日本の安全保障政策を担う 受験ジャーナル

産経ニュース / 2024年12月20日 17時51分

防衛省

国家公務員総合職試験,一般職試験に合格すると,その主な職場は「国の行政機関」である1府12省庁,つまり,内閣府および11省+国家公安委員会(警察庁)となる。さらに各省の下には外局である庁や委員会が置かれており,地方に出先機関を設けている省庁も多い。国家公務員の職場は実に幅が広いといえるだろう。それぞれの官庁が取り組んでいる仕事内容や課題などを紹介する。

新たな危機の時代を生き抜くために

戦後、最も厳しいともいえる安全保障環境に直面する中、わが国は新たな危機の時代を生き抜かねばならない。防衛省の使命は極めてシンプル。「わが国の平和と独立を守り、国の安全を保つ」こと。この使命を果たすべく、昨年12月には今後10年を見据えた新たな戦略文書を策定した。わが国の防衛力の抜本的な強化を行い、同盟国、同志国とともに、望ましい安全保障環境を創出する。わが国を守る最後の砦として、防衛省は挑戦を続ける。

事務官・技官の存在

望ましい安全保障環境を創出し,脅威の到来を抑止し,わが国におよぶ脅威に確実に対処するため,自衛官とともに,2万人を超える事務官と技官が全国各地で活躍している。防衛省には,各採用区分に応じた多種多様な職域が用意されており,それぞれの能力を十分に発揮できる環境が整っている。

防衛省の組織

〈大臣官房〉総務,人事,企画,法令審査,広報,会計,監査,訟務などといった行政組織を管理運営していく上で欠かせない機能を担うほか,国会との連絡調整を行う。

〈防衛政策局〉日本の安全保障・防衛に関する基本的な方針や,総合的な政策を手掛ける。「自衛隊の果たすべき役割とは何か」といった方針の立案にはじまり, 「宇宙空間やサイバー空間といった新しい課題にどのように対応するか」「米国とどのような協力と役割分担をすべきか」などさまざまな政策を立案するほか,自衛隊の訓練や各国との防衛協力・交流の企画および実施,政策立案に必要な情報の収集・分析も担う。

〈整備計画局〉装備品の取得や部隊配備を担当し,陸海空に加え,サイバーや電磁波の領域においても自衛隊が適切に任務を遂行できるよう,能力強化に取り組む。また,自衛隊や在日米軍が使用する飛行場や格納庫といった防衛施設の整備にかかる企画・立案や技術的調査・研究などを担う。

〈人事教育局〉自衛隊が任務を適切に行うことができるよう,優秀な人材を確保し,個々の隊員が持てる能力をフルに発揮できるような環境を整備する。具体的には,人事管理・勤務条件・給与などの諸制度の企画・立案をはじめ,自衛官の募集や採用,教育訓練,退職支援,福利厚生などに関する業務などを行う。

〈地方協力局〉自衛隊・米軍がその能力を十分に発揮するためには,日頃から全国各地の自衛隊・在日米軍基地の円滑な運用と地域住民の生活や環境への配慮を両立することが重要である。このため,全国8か所の地方防衛局や各部隊,関係機関と連携し,防衛政策への理解促進,危機管理対応,交付金等による地域の生活環境改善等の施策に取り組んでいるほか,気候変動等の環境問題への対応,在日米軍の円滑な駐留に関する各種の協力を行っている。

〈防衛大学校〉将来,陸・海・空各自衛隊の幹部自衛官となるべき者を育成するために設置された教育機関で,神奈川県横須賀市の小原台に位置している。近年,自衛隊には任務の多様化や国際化などに柔軟に対応する質の高い人材の確保・育成が求められており,防衛大学校においてもさらなる高みをめざし,有効な教育施策を事務官・技官と教職員が一体となり検討・推進している。

〈防衛医科大学校〉医師である医官等の幹部自衛官ならびに,保健師・看護師である幹部自衛官および技官となるべき者を養成している。さらに,自衛隊の任務遂行に必要な医学および看護学に関する高度な理論および応用についての知識と,これらに関する研究能力を修得させるほか,治療に関する臨床研修および研究を行うことを目的として設置された防衛省の機関である。事務官・技官は,行政事務,施設の建設・維持管理等業務,教官および学生等に関する教務事務,病院の医療事務等の幅広い職務に携わる。

〈統合幕僚監部〉統合幕僚監部は,防衛出動や治安出動,災害派遣,国際平和協力活動をはじめとする陸・海・空3自衛隊の部隊行動等に際し,その運用をつかさどっている。近年さらに重要性が増大しているサイバー領域においても24時間態勢で防衛省の通信ネットワークおよび通信システム等を監視し,サイバー攻撃に対処しており,サイバーを専門とする技官が活躍している。

〈陸・海・空自衛隊〉陸・海・空自衛隊に勤務する事務官・技官は,それぞれの自衛隊が有効に任務を遂行できるよう,各行政分野において高い専門性を備えて業務を行っている。事務官は,陸・海・空幕僚監部や全国に所在する部隊および機関等において,総務,人事,経理,補給,厚生,法務等,自衛隊の運用や人的基盤を支える多岐にわたる行政事務に携わる。技官は自衛隊施設の維持管理,工事設計・監督や修繕に必要な資材調達,装備された武器,車両,航空機,艦艇の修理や部品調達,仕様書の作成,装備品の研究開発,サイバー攻撃等に関する情報収集・分析などに携わる。

〈情報本部〉防衛省の情報機関として,電波,画像・地理,公刊等のさまざまな情報を収集・解析するとともに,総合的な分析を加え,内閣総理大臣,防衛大臣をはじめ,自衛隊や関係機関に対し政策決定や自衛隊の部隊運用に必要な情報を提供する。

〈地方防衛局〉防衛省の地方支分部局として,全国8か所(札幌市・仙台市・さいたま市・横浜市・大阪市・広島市・福岡市・嘉手納町)に所在し,自衛隊および在日米軍の活動基盤となる防衛施設の安定的使用をめざし,自衛隊および在日米軍の活動が円滑かつ効果的に実施されるよう地方公共団体や地域住民の理解および協力を得るためのさまざまな施策や防衛施設の整備(建設工事の実施)を行う。

〈防衛装備庁〉防衛省の外局として設置され,装備品等の研究開発および生産のための産業基盤の強化を図りつつ,研究開発,調達,補給および管理の適正かつ効率的な遂行ならびに国際協力の推進を図る。

人事データ

配属・移動

[総合職]

総合職事務系および総合職技術系(行政職)は本省内部部局· 防衛装備庁内部部局· 統合幕僚監部の各課に配属され,幹部職員になるための実務経験を積む。総合職技術系(研究職)は専攻等に応じて防衛装備庁等に配属され,装備品の研究開発等に従事する。それぞれ,各種研修のほか,海外留学,海外勤務,地方勤務,他省庁への出向の機会がある。

[一般職]

一般職(大卒程度)には,本省採用と,各地域名簿が対象としている各地方の機関での採用があり,本省採用については本省内部部局· 防衛装備庁の内部部局·統合幕僚監部等の各課に配属される。

(公務員試験受験ジャーナル 公務員の仕事入門ブック・6年度試験対応・記事内容を一部編集しています)

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