1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. カルチャー

北陸新幹線「小浜経由は金科玉条か」 敦賀開業3カ月「米原ルート」の再考求める動き

産経ニュース / 2024年6月14日 17時42分

北陸新幹線新大阪延伸ルート

北陸新幹線金沢-敦賀間の延伸開業から16日で3カ月となる。首都圏方面からの利用は好調なものの、北陸への直通特急が廃止された関西方面からの移動は伸び悩む。国は8年前に決定した「小浜・京都ルート」を早期に着工し、敦賀-大阪間の延伸を急ぎたい考えだが、工事に対する地元の反発などで開業が後ろ倒しとなる懸念から、「米原ルート」の再考を求める声も上がっている。

「地方創生の推進や日本経済の再生のためにも国が責任を持って一日も早く前進させるべきだ」

北信越5県の44市でつくる連絡協議会は5月17日、富山市内で会合を開き、大阪への早期延伸を国に求める決議を採択した。3月の金沢-敦賀間の新幹線開業で、大阪・京都方面からの直通特急が廃止され、関西方面との往来が落ち込むことへの危機感が背景にある。

JR西日本によると、4~5月の大型連休中、富山以東の糸魚川(新潟)-上越妙高(同)間の利用客は前年比14%増の35万6千人。一方、新たに在来線と新幹線の乗換駅となった敦賀と京都を結ぶ特急の利用客は同10%減の19・8万人だった。

北陸新幹線の敦賀以西は平成28年12月、福井・小浜から京都を経由し新大阪駅に至る「小浜・京都ルート」に決まった。

ただ、環境影響評価が遅れ、トンネル工事による地下水への影響や残土処理への不安などが京都府内で高まり、採算性や並行在来線の経営分離についての沿線自治体の同意、といった着工に必要な「5条件」を満たすための議論も本格化していない。

歴史的に関西方面とのゆかりが深い加賀温泉の地元、石川県加賀市の宮元陸市長は、「政府、与党の決定が金科玉条になっている」と批判。いったんついえた「米原ルート」の再考を訴える。

国の8年前の試算などによると、小浜・京都ルートは約140キロで建設費は約2兆1千億円。一方、敦賀から約50キロ南の米原(滋賀)で東海道新幹線と接続する米原ルートは建設費が3分の1以下の約6千億円で、工期は小浜経由よりも5年短い10年とされた。

米原ルートを推す動きは石川県南部で広がりを見せるが、営業主体となるJR西はルート変更には消極的だ。

運行システム上の課題などから、東海道新幹線への乗り入れには困難が伴うとされる。JR西の長谷川一明社長は5月24日の会見で「すでに議論があってルートは確定している。違うルートはもうない」と述べ、小浜・京都ルートの早期着工を望む姿勢を改めて明らかにした。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください