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交通・ICT使い社会の課題解決しよう 革新アイデア実現へ両備グループ1.15億円支援

産経ニュース / 2024年11月23日 9時0分

両備ホールディングスの三宅健夫副社長(左)らが「瀬戸内から波を起こせ!」と題してトークセッションを行った

驚きと感動を生む革新的なアイデア、仲間を求む! 岡山県を中心に交通、ICT(情報通信技術)事業などを展開する両備グループが、少子高齢化や過疎化、地球温暖化といった社会課題の解決に向けたアイデアを公募する大胆なプロジェクトを展開している。採用されたアイデアや事業計画には最大1億1500万円分の支援を用意。1次審査通過後は必要に応じてグループのメンバーとチームを組んで最終審査通過を目指すユニークな取り組みだ。

特別な「115」

今回の公募は両備グループが来年の創立115周年記念事業の一環として、中核企業の両備ホールディングス(HD)が「岡山、瀬戸内、日本全国の未来をもっとよくしたい」との願いを込めて企画した「WONDERFUL SOLUTION PROJECT(ワンダフル・ソリューション・プロジェクト)」。

「115」は両備グループにとって特別な意味を持つ。ICT、トランスポーテーション&トラベル、くらしづくり、まちづくり、文化・社会貢献の5部門に50の企業・団体を抱える両備グループ。日本三大庭園のひとつに数えられる後楽園と、西大寺をかつて結んでいた「西大寺鉄道」がグループの出発点で、その運行距離である11・5キロに由来するものだ。支援の1億1500万円も「115」にちなむ。

両備HD広報部長の嘉悦登さんは「両備の節目の年に、応援し、育てていただいた地域への恩返しがしたい」と話す。

先送りできない

少子高齢化や過疎化、地球温暖化、災害激甚化など、日本は多くの社会課題に直面している。

嘉悦さんは公募の背景について「次の115年を考えたときに社会課題を解決しておかないと岡山がもたない。若い世代が希望を持って成長し、誰もが安心して老後を迎えられる社会を実現するためには課題を先送りできない」と説明する。

応募要件はバスや路面電車、ICT(情報通信技術)など両備グループが持つアセット(資産)を使うことや事業の継続性が見込めること、「目からウロコといえるアイデアを含んでいて実行するのにワクワクする」ことなど。締め切りは12月31日で、個人、法人、居住地などは問わない。

来年2月中に1次審査の結果を発表し、通過案件の一部はグループ内にプロジェクトを立ち上げ、提案者は最終審査に向けて各分野の専門知識を持つ社員らとチームを組んでアイデアを磨く。採用されると提案者が起業する形となり、グループが最大1億1500万円分を支援して事業を後押しする。

強い思いの人と

プロジェクトのPRのため、11月16日に岡山市のスタートアップ支援拠点「ももスタ(通称)」で、岡山や瀬戸内の起業家が両備グループとの協業アイデアを発表するイベントが開催された。

イベントでは、起業家5人が外国人労働者の言語の壁や独居老人へのサポートなどをテーマに、プレゼンを行った。両備HDの三宅健夫副社長と岡山県のベンチャーキャピタルファンドの共同代表者2人とのトークセッションも開かれ、三宅副社長は「楽しいという要素が大切。寝食を忘れてこれをやりたいという強い思いがある人と組みたい。地域の人と一緒になってことを興し、一緒に地域を盛り上げ、夢をつくりたい」と語った。

グループが想定しているのは、ICTを活用した業務効率化による働き手不足の解消、脱炭素に向けた大型車両やフェリーのEV化、深刻化する地方の人口減対策としての観光活性化・移住促進など、さまざまな社会課題解決へのアイデアだ。

嘉悦さんは「全国から抜群のアイデアを期待する。両備が気づいていない課題もたくさんあると思う。一企業の取り組みや起業家のアイデアだけで解決できるものではなく、社会が一体となって取り組む機運を起こしたい」と意気込んでいる。(和田基宏)

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