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立ち飲みからキャバクラまで多業種集結 大人のテーマパークめざす老舗風俗ビルの変身

産経ニュース / 2024年6月13日 11時0分

サンピアザビルの「大人のテーマパーク」化を手がける三木洸一さん(右)と三木太志さん=大阪市都島区 (格清政典撮影)

大阪の歓楽街・京橋にある商業ビル「サンピアザビル」(大阪市都島区)が、築50年超を経て「大人のテーマパーク」化を模索している。かつてはキャバクラ、スナックなどが多数入居する「大人の社交場」として知られていたが、新型コロナウイルス禍で1フロア全店が撤退するなど非常事態に。だが、危機をきっかけに名店誘致を強化するなど再生に向かっている。

1フロアが「屋台村」に

サンピアザビルは、同時期に開業した「京橋グランシャトービル」の北向かいに位置しており、昭和47年8月に建設された。地上6階地下2階建てで、1フロアは約500平方メートルもあり、京橋を代表する建物の一つ。

ビルを所有する「ケイズカンパニー」(同区)は、大阪木津卸売市場(大阪市浪速区)内の八百屋を経営。もともとはマンション建設を計画していたが、資金難からテナントビルへ方向転換したという。

パチンコ店やスナック、居酒屋、雀荘など多様な業種の約40~50店舗が入居し「大人の社交場」として半世紀以上にわたって親しまれてきた。

ところが、コロナ禍で客足が激減し、休業要請などの影響もあって、6階に入居していたキャバクラやラウンジなど6店舗がすべて撤退した。

このため令和4年に、6階を飲食フロアに転換する大規模リニューアルを実施。「京橋S6横丁」と名づけて、鉄板焼き屋や立ち飲み屋、バーなどを次々に誘致し、若年層をターゲットにした路地裏の雰囲気が懐かしい「屋台村」に変貌を遂げた。

創業者一族の3代目で、同社から業務委託を受けてビル再生などを手がける「トライウィズダム」社長、三木洸一さん(31)と取締役の太志(たいし)さん(28)兄弟は「移り変わりが激しい風俗店などと共存する大人のテーマパークを目指す」と説明する。

「同伴」と「アフター」ビル内で

6階に続いて、今度は地下1階、地下2階のリニューアルに着手した。「SUNPIAZZA BASEMENT HOUSE」と名づけ、来春には全面開業する予定だ。「名店が集う大人のテーマパーク」がコンセプトで、京橋S6横町と異なる。しゃぶしゃぶ専門店に加えて、6月には焼き鳥店がオープン。今秋に大阪市北区の人気フレンチレストランが進出するなど、計6店を誘致してエンターテインメント性を強化した総合レジャービルへの転換を図る。

不動産コンサルタントを専門にする洸一さんは「(キャバクラなどの)同伴やアフターまで、すべてがこのビルで対応できるようになれば面白い」と意気込む。今後はスポーツバー、アメリカンダイナーなどの誘致も進めて、若年層や外国人観光客ら幅広い世代の客層を呼び込むつもりだ。実際に誘致を呼びかけている飲食店関係者は「京橋駅前という立地の良さに興味津々の様子だった」と手応えを感じている。

広告代理店での勤務経験がある太志さんは「東の玄関口と呼ばれるだけあって、京橋は高いポテンシャルを持っている。ビル周辺での客引き行為は全面禁止になり、治安も良くなっている」と自信を見せる。

京橋グランシャトービルも平成27年にキャバレーが閉店後はパチンコ店やゲームセンター、サウナ、カラオケ店が入居し、大人の社交場と呼ばれた雰囲気は一変した。

だが、サンピアザビルはキャバクラやスナックなどは現在も入居中で、「風俗店と共存した総合レジャービルは、もう『味園ビル(大阪市中央区)』ぐらいしか残っていないのではないか」と洸一さんは指摘する。

ただ、味園ビルは令和6年末に閉鎖が決まっており、サンピアザビルは大阪市内の歓楽街の中で貴重な存在となりそうだ。(格清政典)

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