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「時間足りない」「長文苦手」の自己分析は本当か 勉強法アップデートで一生使えるスキルに

産経ニュース / 2024年7月3日 7時0分

河合塾英語科講師の新野元基さん

大学進学を目指す受験生たちは、どういった勉強方法で受験にのぞめばよいのだろうか。河合塾の人気講師、新野元基先生に聞いた。

まず、受験勉強は一人一人違ってよいということを認識してほしい。学力の状況や目標によってやるべきことは異なる。自分は何をすべきか。ここを理解することが本格的な受験勉強のスタートだ。

受験生の自己分析では「自分ができないこと」を正確につかむことが大事。英語の場合は「長文が苦手だ」という人がいたり「共通テストの時間が足りない」という人がいたりする。

だが、そのできないことの原因を掘り下げて把握している人は少ない。「長文が苦手」という場合でも、英単語の暗記量が足りないのか、文の構造が読み取れていないのかによって対策は違う。

それを見つけるためには、原因をつぶす作業が重要だ。例えば「時間が足りない」という人は、時間無制限で解いてみるとよい。時間があれば、高得点が取れるというなら、解くスピードを上げる演習をすればよい。でも、時間があってもあまり得点が伸びていないなら、何か別の原因があるということだろう。

学力は複合的な要因で決まるもの。一つの原因に絞れないこともあるが、弱点を見つめることは大切だ。

これから夏休みの時期に入る。学校の授業や行事などもなく、現役生にとっては「自分の勉強ができる時間」だ。

ときおり苦手教科だけしか勉強しない、という人がいるが、勉強はバランスが重要だ。ロールプレーイングゲームでは、1回上がったレベルが下がることはあまりないが、勉強では力が落ちてしまうこともある。

私は1週間単位で計画を立てながら学習を進めることを推奨している。受験科目の多い国公立大志望者は、1つの科目のウエートが50%以上になってしまうとよくないだろう。

勉強時間の長さにこだわる人もいるが、時間だけ決めてもうまいかない。どの学習をどの順番でやるのかを決めておくのがよい。学習管理アプリも上手に使ってほしい。

「夏の時期にしっかり過去問をたくさん解け」という先生もいるが、私はまず基礎固めをすべきだと指導している。英語だと、基本的な文法や読み方を夏の段階でクリアして、秋以降に演習をしていくという形が良いだろう。

学習は教材を「自分のもの」にするのがゴールだ。参考書や問題集に書いてあることが、他人にも説明できる状態、つまり「自分で授業をできる状態」にすることが大切だ。問題集を1回解いたからよいということはない。できるまで何周も取り組んでほしい。

受験勉強というのは、自分の課題を見つけ自分なりの対策をとっていくという作業だ。こういうプロセスは受験だけでなく人生のなかでも必要になってくることだと思っている。ぜひ頑張ってほしい。

しんの・もとき 河合塾英語科講師 現役生から高卒生まで幅広い学年で、東大・京大・一橋大などトップレベル講座を担当。河合塾の模試チーフやテキスト執筆も担当し、共通テストの指導、外部試験対策などの講演でも高い評価を獲得するなど、受験指導全般で幅広く活躍する。

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