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岩手県広域サイクリングルート誕生 盛岡起点ルートに記者挑戦も坂道と雨で迎えた「限界」  味・旅・遊

産経ニュース / 2024年10月15日 11時0分

自転車を活用した観光振興を図ることを目的に、岩手県広域サイクリングルートが3月に誕生した。「いわて三陸しおかぜルート」(約320キロ)▽「いわて森の風ルート」(約420キロ)▽「いわてイーハトーブルート」(約290キロ)▽「いわて歴史遺産探訪ルート」(約310キロ)-の4ルート。その魅力の一端を体感しようと10月2日、盛岡市から「いわて森の風ルート」に挑戦した。

午前6時盛岡出発

このルートを選んだのは盛岡市を起点にさまざまな角度から県内最高峰の岩手山(2038メートル)を見てみようと思ったからだ。当初はJR盛岡駅前から国道46号を西進、小岩井農場沿いの県道219号を北上、県道278号を東進して、滝沢分れから国道282号を北上する計画だった。

JR盛岡駅を出発したのは午前6時。気温17度。肌寒さを覚えながらのスタートとなった。信号を避けるために国道46号に沿って流れる雫石(しずくいし)川の堤沿いを走った。20分ほどして体が温まり始めたころには太陽も顔をのぞかせてくれた。

相棒はタイヤ幅が広めで24段変速のスポーツタイプ「GIANT ANYROAD(ジャイアント エニーロード)2」。岩手山に向かうルートは登りがきつい。30分以上のサイクリングを日課にする記者にとって初のヒルクライム。出発前にしっかり空気を補充したタイヤはパンパン状態。

国道46号に戻って勾配のきつい区間は軽いギアで無理をしなかった。県道219号に入ると、小岩井農場まきば園まではひたすら登り。計算外だったのは雨。まきば園の1キロ手前で降りが強くなり、同園の待合室の軒先で雨宿り。

自宅から約19キロ。到着は午前8時20分ごろ。早朝で沿道にある国指定重要文化財の小岩井農場・上丸牛舎と屋外の牛たちとツーショット。軒先の雨宿りは約25分。開園前の待合室とトイレは施錠されたまま。「あら…」と天を仰いだのは駐車場からトイレに一目散の中年男性。

ヒルクライム本番

雨が小降りになり、県道219号から広域農道で一本桜に寄り道。雨で岩手山も望めず、いよいよヒルクライム本番。1度アップダウンを経てきつい上り坂が県道278号まで続いた。距離にして5、6キロか。フロントギアの変速で8段、16段、24段。40分近くで県道278号の入り口に。盛岡駅からここまでの高低差は354メートル。

息も絶え絶え。歩くような速度。道路脇にはクマの好物のドングリやクリが散乱、時折「パキン」という木が折れるような音に「クマが出た?」とおびえながらペダルを踏んだ。苦しさのあまりか、樹木の枝が県道278号に入る道路標識に見えて、次の瞬間にガックリする連続だった。

滝沢分れまで12キロの県道278号は幸福だった。苦しい上りはわずか4分。ほとんどが下りで、12キロを30分ほどで走破。しかし、ここで雨が本降り。国道282号を北上する予定が雨で岩手山も期待薄。急遽(きゅうきょ)参院岩手選挙区補選の取材も入り、滝沢分れから国道4号で盛岡市に引き返した。

ずぶぬれでたどりついた岩手県庁までの走行距離は約50キロ。雨でいろんな角度の岩手山はまったく見えなかったが、苦しい坂道も一度も降りずに走破できた。ただ、天気予報の予想最高気温27度。「晴れだったら…」の一方で「体力的に限界」が本音で「雨で結果オーライ」になった。

4ルートの総延長約1340キロは東北の基幹ルートで最長。機会をみて三陸沿岸の絶景、平泉など歴史ロマンも体感したくなった。

(石田征広)

岩手県広域サイクリングルート 令和3年3月に策定された岩手県自転車活用推進計画に基づいて誕生した。4ルート名は公募で決定、優先的な整備区間を選定して、ルート案内の矢羽根、ブルーラインの路面表示、案内看板などを整備。いわてサイクルステーションの登録制度を創設、サイクリング環境の向上も進めている。

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