1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

プロスケーター高橋大輔さんが銀幕デビュー 監督をうならせた銀盤で培った表現力

産経ニュース / 2024年8月30日 8時0分

初出演の映画の撮影に臨む高橋大輔さん(左) ⓒ2022映画『蔵のある街』実行委員会

プロフィギュアスケーターの高橋大輔さん(38)が、出身地の岡山県倉敷市を舞台にした映画『蔵のある街』で、俳優としてスクリーンデビューを飾る。「できるかなという不安はあったが、倉敷が舞台なのでやるしかないと決意した」と8月11日までの撮影に参加。平松恵美子監督は「氷上で表現者として活躍してきた高橋さんがカメラの前でも豊かに表現し演じることを想像し、きっとすてきなものが見られると期待した。その通りだった」と称賛した。舞台を銀盤から銀幕に変えても、表現力は健在だ。

「自分の幅広げたい」

平松監督は、山田洋次監督のもとで数多くの作品の助監督・共同脚本を務め、平成24年公開の『ひまわりと子犬の7日間』で監督デビュー。今回は倉敷市内でロケが行われ、同市出身の俳優、前野朋哉やMEGUMIらが出演している。

花火を見たがっている発達障害の兄とその妹のヤングケアラーの女子高生のため、幼なじみの男子高校生2人が実現に奔走するというストーリー。高橋さんは物語のキーパーソンの1人、高校生の相談に乗る美術館学芸員という役どころだ。

高橋さんは7歳でフィギュアスケートを始め、2002年に日本男子初の世界ジュニア選手権優勝。冬季五輪に3大会連続出場し、10年のバンクーバー五輪男子シングル銅メダリスト。14年に一度引退するが、4年後に復帰したのちにアイスダンスに転向し昨年、競技生活を引退した。

オファーされたのは昨年11月頃だった。「エンターテインメントが好きで、自分の幅を広げるチャレンジにどんどん取り組みたいと、タイミング的にも合っていた。こんなチャンスは二度とないと思った」と明かす。

フィギュアとの表現の違い

「フィギュアは遠くの人にも伝わるよう全身を使い、映画は細かい表情や声色で表現するので、全く違うと感じた」と高橋さん。ただ、「自分の中のイメージを人に伝えるのは同じなので、培われた経験値がプラスになっていれば」と話す。

いろんな感情を抱いているのに表に出し過ぎない難しい役どころ。監督には「そのままでいい」と言われたが、周りの俳優の演技を見ながら「自分でいろいろ考えて自然体を意識した。正解は分からないが、映画の中でどう映っているのか楽しみ」と、笑みを浮かべた。

一方、地元を舞台にした映画については、「製作自体がすてきなことで、一生の思い出。倉敷の景観のよさや人情味が伝わってくるストーリー」とも話す。今後はフィギュアスケートを軸にしながらも、チャンスがあればさまざまなことに挑戦する方針だという。

サプライズ花火を題材に

平松監督は、大人側のキーパーソンとしての存在感と、若者たちの気持ちに寄り添う温かさを同時に感じられる学芸員役の人選に頭を悩ませていたという。そんなとき、テレビのインタビューで高橋さんの姿を見て、「『ここにいるじゃないか!』と思った」と振り返る。シーンごとの心情や設定について簡単に説明したところ、「理解度が高くて早くてさすがだと思った」。高橋さんの演技への印象や俳優としてのセンスについて「『機会があればぜひまた一緒にお仕事をしたい』。それが答えの全て」とする。

映画は、平松監督の同級生で自営業の渡辺一司さんらが、新型コロナウイルス禍に市内の足高山から花火を打ち上げた事実から平松監督が着想を得た。

令和2年、足高山周辺の3小学校区での夏祭り中止決定を受け、渡辺さんが「子供の行事が全てなくなる中で子供や地域のために何かできないか」と、3校区のコミュニティ協議会で提案。町内会や市役所、消防、警察などと調整を進め、令和2年と3年の8月に30分間で約1000発ずつ打ち上げた。

渡辺さんは「コロナ禍にシークレット&サプライズ花火を打ち上げた地域や人たちの思いが詰まった映画であることを全国に伝え、世界にも届けたい」と意気込む。高橋さんについても、「倉敷にとってとても大事な人。オファーを受けてくれて感謝しかない。子供たちと地域をつなぐパイプ役の役どころで、こういう人が増えれば地域は盛り上がると思う」と話した。(和田基宏)

来年3月に倉敷市で完成披露試写会、7月に倉敷で先行公開、8月から全国公開の予定。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください