1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

「つらい日々を一瞬でも忘れてほしい」 指揮者の広上淳一さんが能登被災地に音楽届ける

産経ニュース / 2024年10月8日 10時0分

指揮者の広上淳一さん©京都コンサートホール

表情豊かで躍動感あるタクトが人気の指揮者、広上淳一さんが、能登半島地震の被災地に音楽を届ける活動をしている。オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK、金沢市)のアーティスティック・リーダーとして、自身は鍵盤ハーモニカを手に、楽団のメンバーと避難所などを訪問している。「一瞬でもつらい日々を忘れてもらうために、僕らは存在する」と語る。

金沢市でチャリティーコンサートを開くだけでなく、「被災地に音楽を届けよう」と、OEKのメンバーで6月から石川県珠洲市や内灘町などを訪問してきた。避難所となっている学校や病院のほか、出会った人に依頼されて道の駅で演奏したこともある。

曲目は、東日本大震災の復興支援ソング「花は咲く」や坂本九の代表曲「見上げてごらん夜の星を」など。観客には被災者や医療関係者のほか、外部から来ている支援者の姿もあったという。

地震のあった1月1日は東京の自宅にいた。楽団のメンバーは無事だったが、実家が全壊した人もいたという。実際に珠洲市で倒壊したままの家屋を目にしたときには、言葉をなくした。「音楽は、ほんの一瞬の清涼飲料の役割しか果たせないかもしれない。けれど一瞬でも楽になるなら、どこへでも届けたい」と、意志を固くした。

OEKとして、今後も訪問コンサートを「5年、10年のスパンで続ける」という。生活のための必要最低限なものを指す「衣食住」という言葉。広上さんは「『心(しん)』も加えてほしい。心がなければ人間はゆがむ。心を支える娯楽は、決して不要不急ではない」と話した。

広上さんがミュージックアドバイザーを務める京都コンサートホール(京都市左京区)を拠点とする京都市ジュニアオーケストラは、石川県ジュニアオーケストラとの合同コンサートを被災地で開催しようと、クラウドファンディング(CF)を行っている。

令和8年3月に石川県立音楽堂(金沢市)での開催に加え、有志による珠洲市や輪島市など被災地での訪問コンサートを企画している。既に目標額の300万円には達したが、訪問場所を増やそうと目標を400万円に引き上げ、CFを継続している。

CFは22日まで。詳細は京都コンサートホールの公式サイト内特設ページ(https://www.kyotoconcerthall.org/juniororchestra/ishikawa2026/)。(藤井沙織)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください