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秋田・大曲の花火がモントリオール国際花火大会へ、「和のハナビと音楽ストーリーを融合」

産経ニュース / 2024年6月25日 10時0分

モントリオール国際花火大会出場について説明する大曲の花火協同組合の小松忠信代表理事(手前)=秋田県大仙市

夏の全国花火競技大会として知られる秋田県大仙市の「大曲の花火」が、カナダ・モントリオール国際花火大会の競技部門に日本から12年ぶりに出場する。花火と音楽をシンクロさせる草分け的大会で、大曲の花火師は「和のハナビと音楽ストーリーを融合させる」と意気込み、かつて出場した東京や長野の花火師からも「海外ならではの事情に注意して優勝を」とエールが飛ぶ。

壮大なスペクタクル

モントリオール国際花火大会は1985年から現在の開催形式になり、38回目の今年は6月27日から8月1日まで続く。コンペティション(競技部門)には日本、イタリア、オーストリア、メキシコ、カナダ、フランスの6カ国が出場する。

日本勢は秋田県大仙市の花火製造・打ち上げ4社(小松煙火工業、北日本花火興行、和火屋、響屋大曲煙火)でつくる大曲の花火協同組合。6カ国の先陣を切って現地時間7月4日夜に打ち上げる。

昨春、マルタ共和国で開かれた国際花火シンポジウムで、モントリオール側から「大曲の花火」実行委員会に出場の打診があった。国際大会出場は各社単独では過去にもあるが、組合としては初。夏は花火繁忙期で、各社の負担軽減の意味からも「チーム大曲の花火」での参加となった。

同組合代表理事で小松煙火工業社長の小松忠信さん(60)は「花火と音楽をシンクロさせる草分け的な大会。競技大会というと日本では一日で全出場者が打ち上げるが、現地では1カ国ずつ。30分で4600発を打ち上げ、煙にレーザー光を当てる5分間の演技が必須。目の肥えた審査員ばかり」と説明する。

チームのテーマは「The greatest HANABI show」

「大いなる日本の花火のショーという意味。欧米は光る線の動きを見せるコメットやマインが主流なのに対し、日本は丸く開く割物が伝統。特に直径330メートルもの花火が均整のとれた真球状に広がる尺玉(10号玉)は世界でも日本だけの技術。これに大曲の大会で培った創造花火と音楽を組み合わせ、壮大な花火スペクタクルを楽しんでいただく」と小松さん。

製作した花火玉はすでに船便で出荷しており、6月29日に4社の花火師ら10人が現地入りする。

8月に国内披露も

同大会競技部門の日本勢出場は12年ぶり。

第1回で金賞を獲得した丸玉屋小勝煙火店(東京都府中市)の小勝康平社長(42)は「国内とは事情が違うので資機材の搬入や設営、演出の打ち合わせなど現地スタッフといかに協力して進められるかが大切で、水や食べ物が違うので日本側スタッフの体調管理も欠かせない」と指摘。

94年の第10回で銅賞となった日本橋丸玉屋(東京都中央区)の小勝敏克社長(74)は「大会は音楽花火の聖地で、曲と花火のストーリー性、色使い、空間表現のあらゆる面が審査される。それはカルチャーショックであり、その後のわれわれのエンターテインメントとしての花火の原動力になった」と振り返る。

2012年の第28回に出場した紅屋青木煙火店(長野市)の演出担当、平山英雄さん(48)は「〝日本〟を前面に出すのはもちろんだが、現地の好みを理解して、観客に受ける演出をすることが大切だと痛感した。百聞は一見にしかず。貴重な経験だった」と打ち明ける。

そして3人は「久しぶりの日本勢出場であり、チームには大曲の花火の神髄を存分に発揮、披露してほしい」とエールを送る。

チームは、全国28業者が参加する8月31日の第96回全国花火競技大会(大曲の花火)の大会(主催者)提供花火で、モントリオールでの妙技を披露する。

大曲商工会議所会頭で「大曲の花火」実行委員長の斉藤靖さん(61)は「モントリオールで世界一の称号を獲得し、大曲の花火を世界に発信したい。すでに仏カンヌの大会からも打診があり、出場につなげたい」と意欲をのぞかせる。

全国花火競技大会については実行員会事務局のホームページか電話(0187・88・8073)。(八並朋昌)

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