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二階氏、鶴保氏、世耕氏らの思惑交錯 次期衆院選控え、保守王国・和歌山にくすぶる火種

産経ニュース / 2024年8月5日 10時0分

二階俊博氏の三男、伸康氏を次期衆院選和歌山新2区の候補予定者として自民党本部に公認申請することを承認した自民党和歌山県連大会=6月30日、和歌山市

自民党派閥の政治資金パーティー収入不記載事件で今年、和歌山県の衆院選挙区の党候補予定者が〝地殻変動〟に見舞われた。二階俊博元幹事長(85)=現和歌山3区=が内定していた新2区からの不出馬を表明し、県選出参院議員の世耕弘成前参院幹事長(61)が離党したことなどで、新1区から出馬が決まっていた県選出参院議員の鶴保庸介元沖縄北方担当相(57)がくら替え出馬を断念。県内2選挙区とも候補予定者が白紙となった。新たな候補予定者選定の見通しは立ちつつあるが、火種も抱えている。

大物議員2人予期せぬ「離脱」

「既定路線が崩れた。大きな存在だっただけに難しい問題が残る」。4月、県連の関係者はうめいた。次期衆院選に向け、昨年6月には新2区に二階氏、新1区に鶴保氏の立候補が決定。現2区選出の石田真敏元総務相(72)の比例転出方針も決まり、衆院選挙区定数の「10増10減」で和歌山県の選挙区が3から2に減ることに伴う調整は終わっていた。

しかし、不記載事件を受けて今年3月に二階氏が不出馬を表明し、4月初めには世耕氏が離党した。国政の看板だった大物議員2人の予期せぬ「離脱」で、地元は「二階氏の後継者は誰か」「鶴保氏がくら替えすれば地元に自民党参院議員が不在となる」の2点が関心事となった。

新2区に満場一致で二階氏の三男

いち早く動いたのは、二階氏に近いとされる県町村会(会長・岡本章九度山町長)だった。4月24日、二階氏の後継として二階氏の秘書で三男の伸康氏(46)に新2区からの出馬を要請。「40代と若く、県内で生活してきており、党の中枢にいた二階氏の秘書として経験を積んでいる」(岡本会長)と強く推した。

これで新2区は〝流れ〟ができ、伸康氏は5月17日に出馬を表明。県連は6月1日、拡大役員会で伸康氏を新2区の候補予定者(支部長)として党本部に公認申請することを満場一致で決めた。

一方、県町村会は4月26日に鶴保氏に新1区へのくら替え見送りを要請し、鶴保氏も応じた。鶴保氏は「勝つか負けるかで判断はしていない。参院の仕事で還元できる年次にもなっている」と説明したが、「逆風の中での新1区は厳しい」(県連関係者)との声も聞こえ、「(新1区から)逃げた」とする関係者も多い。

自民が6連敗中の新1区は…

都市部の和歌山市をエリアとする現1区は、平成21年に現知事の岸本周平氏(68)が当時の民主党公認で初当選して以来、自民候補者の負けが続いてきた。昨年4月、岸本氏の知事選立候補のための辞職に伴う補選でも、日本維新の会の林佑美氏(43)の初当選を許し、自民は6連敗となった。ややエリアが広がる新1区でも和歌山市が大票田となる。

鶴保氏のくら替え見送りで新1区の候補は白紙となり、県連は公募することを決定。8月2日まで募集し、選考委員会による審査を経て同月下旬に決定することとなった。

新1区には、現1区現職の林氏が立候補の見込み。立憲民主党は新人で会社役員の村上賀厚(のりあつ)氏(65)、共産党は新人で元和歌山市議の井本有一氏(58)、参政党は新人で飲食店経営の林元将崇氏(26)の擁立を発表。また、新2区では二階伸康氏のほか、共産党が新人で元県議の楠本文郎氏(69)の擁立を決め、無所属新人で元兵庫県議の小西彦治氏(52)が出馬表明した。。

自民にとって全2選挙区の候補予定者差し替えという異例の事態だったが、ようやく落ち着きつつある。

しかし、大きな「不確定要素」も残る。離党した世耕氏の動向だ。世耕氏は以前から衆院へのくら替えに意欲を見せ、新2区からの出馬の可能性が取り沙汰されている。「世耕氏と(二階)伸康氏が選挙で並び立って争えば、野党に政治とカネの問題で攻撃材料を与えることになる」(県連関係者)と不安視する声も聞こえてくる。(永山裕司)

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