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ヤクルト3年ぶりVへカギ握る投打の主役 村上宗隆「僕が活躍」奥川恭伸「突っ走る」

産経ニュース / 2025年1月5日 12時0分

ヒーローインタビュー中に涙するヤクルト・奥川恭伸=京セラドーム大阪(渡辺大樹撮影)

3年ぶりの覇権奪還となるか。2年連続のリーグ5位から逆襲を期すヤクルトは、村上宗隆内野手(24)と奥川恭伸投手(23)の若き投打の顔が浮沈を握りそうだ。米大リーグ挑戦のため日本球界〝ラストシーズン〟を明言する村上が「僕が活躍すれば優勝する」と強い覚悟を示せば、度重なるケガからの完全復活を目指す奥川は「1年間突っ走りたい」と意欲をたぎらせている。

村上「優勝導く」

「来季は日本でやる最後のシーズンになると思う。皆さんが笑顔で(自分の)背中を押してくれるような成績を残したい」。昨年12月の契約更改で、村上は毅然(きぜん)と言った。球団から容認され、2025年オフにはポスティングシステムを利用して米大リーグに挑戦することが決まっている。堂々と海を渡るべく、3年ぶりのリーグ優勝、日本一を置き土産にする。

日本選手最多となる56本塁打を放ち、打率3割1分8厘、134打点で文句なしの三冠王に輝いたのは2022年。そこから2年間は自身にとって不本意なシーズンを過ごした。23年は無冠、24年は33本塁打、86打点で2冠に輝くも「胸の張れる成績じゃなかった」と首を振る。打率2割4分4厘、三振はリーグワーストの180と安定感を欠いた。

村上は「高みを目指すのはいいことだけど、その中で自分を見失うことがあった」と分析する。シーズン中には試合前にテニスボールを手で打ち返す練習を取り入れたりと試行錯誤。9月10日からの15試合では10本塁打と本来の長打力を取り戻し、このオフは「シーズン終盤の打撃フォームを定着させながら、パワーをつけたり、体のキレを出したりしていければ」とぶれない軸を作り上げていくつもりだ。

師と仰いできた青木宣親さんが引退し、これまで以上にキャプテンシーも求められる今シーズン。「自分たちが引っ張っていかないといけない。僕が活躍すれば優勝できる」と強い思いをバットに込める。

奥川、中6日解禁も

「来季の目標を」と渡された色紙に、奥川は「邁進(まいしん)」の二文字を記した。「今まで思った通りに行かなくて悔しい思いをたくさんした。一年間、突っ走るようなシーズンにしたい」と1軍でのシーズン完走を誓う。

21年に9勝を挙げ、リーグ優勝と日本一を支えた。さらなる飛躍を期待された22年、開幕直後に右肘を痛めて長期離脱。23年は足首の捻挫、24年も春季キャンプ終盤に腰痛と相次ぐ故障に泣いてきた。

ようやく1軍に戻ってきたのは昨年6月14日のオリックス戦。約2年ぶりに登板し、5回1失点で実に980日ぶりの勝利を挙げると、人目をはばからずに泣いた。「たかが1勝だったけど、僕にとっては大きなものだった。長いトンネルを抜けた、そんな1年だった」と振り返る。

しかし、夏場に腰痛を再発症。7試合の登板にとどまり、3勝2敗、防御率2・76。シーズン後、球団からは「1軍にいて、ローテーションの中心で回ってもらわないといけない選手。来季は期待している」と奮起を求められた。

それは、今季で高卒6年目となる奥川自身も見据えるところ。登板数は21年(18試合)を超える20試合を掲げ、いままでゆとりを持たせていた登板間隔も中6日を目指す。「だいぶ落ちていた」という平均球速も140キロ後半~150キロまで戻せるよう、現在は肉体改造に励んでいる最中だ。

「投球動作とかみ合えば球速も上がってくると思う。来季は本当に(ローテの)中心として頑張れるように。しっかり鍛えたいです」と奥川。若き2人の完全復活が、チームの命運を握っている。(川峯千尋)

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