1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. スポーツ総合

同志社大ラグビー部、開幕5連敗から執念の残留 名門復活へ負け癖を変えた「あの1戦」

産経ニュース / 2024年12月8日 7時0分

摂南大に勝ってOBらにあいさつをした同志社大の選手たち=11月30日、花園(中島信生撮影)

ラグビーの関西大学リーグで、古豪の同志社大がAリーグ(1部相当)残留を決めた。昨年は全敗で入れ替え戦を経験。今季も開幕5連敗を喫したが、第6節で1勝を挙げると、最終節の摂南大戦は1点差でしのぎ、入れ替え戦を回避。名門だけにOBやファンからの重圧は計り知れないが、主将の寺北亘佑(こうすけ)は「大きな2勝だった」と胸を張った。

息を吹き返した終盤戦

11月30日の最終節の摂南大戦。多くのOBやファンが、スタンドから固唾をのんで、試合の行方を見守った。前節に今季1勝目を挙げたばかり。開始前から早くも「もう来年頑張れ」「また入れ替え戦や」との声も飛んだが、選手らは周囲の雑音をよそに目の前に集中していた。

開幕戦での脳振盪(しんとう)から戦列復帰した主将の寺北が開始直後、トライを奪って先制。前半を22-19で折り返すと、後半は粘りと執念の闘いとなった。いったん、22-26と勝ち越されたが、そこから3連続トライ。終盤に強烈な圧力を受けて追い上げられたが、わずか1点差で逃げ切った。立命大-関大戦の結果を待って、リーグ6位確定。2年続けて崖っぷちに立たされながら、入れ替え戦を回避した。

近年続いた低迷

1911年、日本では3番目に古いラグビー部として創部された。主なOBには元日本代表のWTB坂田好弘、SO平尾誠二、ロック大八木淳史らが名を連ねる。関西リーグ優勝は最多の48回を数え、全国大学選手権は82~84年度に大会史上初の3連覇。計4度の日本一と屈指の名門だった。

だが、2015年度の関西リーグ優勝を最後に低迷期に入る。昨年は、現リーグ戦となった1964年度以降、初の7戦全敗で最下位。2010年度以来の入れ替え戦も経験した。

今季も厳しい船出だった。酒井優ヘッドコーチは「ラグビーの原点を振り返り〝同志社スタンダード〟を上げていこうとやってきた」と説明。強い同志社を取り戻す意が込められた。

だが、京産大との開幕戦は73点差の大敗。開幕5連敗を喫し、勝利を手にしたのは、第6節の関大戦。2点差勝利だったが、昨年からの連敗は12でストップし、「ようやく同じ土俵に乗れた」と振り返った酒井HCの言葉が、これまでの苦しみを浮き彫りにした。

今季2勝に誇り

寺北はどんな思いで過ごしてきたのか。「いろいろ考えることも多く、プレッシャーもあった」と振り返る。特に、この1年は「去年の負けをずるずる引きずって勝ち切れなかった。リードしてもずっと不安。また逆転されるのではと焦って焦って…のゲームが多かった」と吐露した。

だが、第6節の勝利で気持ちは前向きに。「リードしたら逆に大胆になり、前へ前への意識でアタックしボールを持っていけた」。悲観もしていない。寺北は「チームとしては今、いい状況にある。(後輩は)来季に向け、ちょっとでも多くの自信をもっていけると思う。重圧を感じている部分はあると思うが、OBの方がたくさんいるのは、チームの文化」と強調する。

さらにチームの思いを代弁するように言葉を続けた。「『失敗のシーズン』と思う方もいると思うが(今季の)2勝は大きかった」。希望を見いだしたシーズンを経て、「紺グレ」は来季に復活を懸ける。(嶋田知加子)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください