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五輪5大会連続出場のセーリング富沢慎の挑戦 種目変更で体重増、恐怖心乗り越え切符つかむ

産経ニュース / 2024年7月17日 10時0分

五輪5大会連続出場を決め、ガッツポーズする男子iQFOiL級の富沢慎=12日、東京都内(神田さやか撮影)

セーリングのパリ五輪日本代表に決まった男子iQFOiL級の富沢慎(トヨタ自動車東日本)は、セーリング日本勢初の5大会連続出場となる。パリ大会から新たに採用されるiQFOiL級への転向で体重を約20キロ増加。苦戦が続いたが、4月に行われた五輪最終予選のラストチャンスレガッタで見事に切符をつかんだ。19日で40歳になる富沢はパリへ向け、「今まで勝ったことのない格上の選手ばかり。思い切ったレースをして五輪を楽しんできたい」とチャレンジ精神で挑む。

富沢は2008年北京大会から21年東京大会まで、ウインドサーフィン種目の男子RSX級で4大会連続出場を果たした。パリ大会でRSX級は実施されず、代わって水中翼が付き、よりスピードが出る艇を使って争うiQFOiL級が採用された。平均時速はRSX級の約10キロに対し、iQFOiL級は約40キロ。最高時速は60キロを超え、富沢は「カーフェリーから高速水中翼船に代わった」と表現する。

種目変更に伴い、海面から浮き上がる艇を安定させるため、東京大会で70キロだった体重を90キロに増やした。こちらは「つらい有酸素運動もなくなったし、好きなものをたくさん食べられる。ウエートトレーニングで重いものを持ち上げるつらさはあったが、まったく違うトレーニングなので、新鮮さがあって楽しくやってこられた」と前向きに取り組んだ。

一方、「速く走ると恐怖心が出てくる」とスピードへの対応には苦慮した。転向して約1カ月後、左手甲の骨折も経験した。RSX級では世界選手権で10番以内に入ることもあった成績は、新種目では50番台がやっとで、「五輪は『無理なのではないか』とほとんどの人が思っていた」。レースに出るたび、引退も頭をよぎった。

転機となったのは、東京大会で日本代表監督を務めた中村健次氏をコーチに招いたこと。複数の選手を受け持つ海外コーチよりも二人三脚で細かい指導を受けられるようになり、スピードが上がった。4月にフランスで開催されたラストチャンスレガッタで優勝という「自分の実力をはるかに超える結果」を出し、国別の五輪出場枠を獲得。日本連盟が定める選考レースでもトップとなり、出場を決めた。

五輪は厳しい戦いが予想されるが、チャンスはある。新種目でレース方式が変わり、上位艇で争うメダルレースは予選の成績がリセットされる一発勝負となった。「メダルレースに滑り込めば、夢は開けると思っている」と意欲を見せる。

「新艇種なので、すごい新鮮な気持ちで五輪を迎えられる。一回目(の北京大会)は新鮮な気持ちでチャレンジできた。今回もチャレンジできるのはすごく楽しい」。挑戦心は衰えを知らない。(運動部 神田さやか)

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