高校サッカー選手権が初の海外ライブ配信 協会幹部「レベルが高いと話題になった」
産経ニュース / 2025年2月2日 7時0分
1月13日の全国高校サッカー選手権決勝で、日本サッカー界が新たな試みに乗り出した。東京・国立競技場で行われた前橋育英(群馬)-流通経大柏(千葉)戦をタイでライブ配信。同大会が海外でライブ配信されたのは初めてだった。日本サッカー協会の宮本恒靖会長が「日本サッカーの魅力を世界に伝えていきたい」などとコメントを出したように、世界的にも珍しいコンテンツは、日本サッカーを海外へアピールする一手として期待が高まる。
日本サッカーの魅力発信
海外ライブ配信は大会を観戦したタイ人がSNS(交流サイト)で発信したのがきっかけで話が進んだといい、タイの「Boonrawd Group」の放送局「BGスポーツ」が実施した。宮本会長はコメントの中で「選手権は日本のサッカー少年の憧れで、Jリーグや日本代表で活躍する名だたる選手を輩出し、日本サッカーの発展を支えてきた大会。伝統ある大会を海外で視聴してもらう機会を設けていただいた」と喜んだ。
選手権は日本スポーツ界の年末年始を彩る風物詩の1つとして定着している。決勝は冷たい強風が吹き付ける厳しい観戦環境だったにもかかわらず、札止めとなる5万8347人の観衆が詰めかけた。日本サッカー協会の湯川和之専務理事は「高い関心を集める高校生の試合として、アジアのみならずヨーロッパでも注目されている」と話す。
決勝で敗れた流通経大柏の榎本雅大監督は試合後、「高校サッカーはスポーツの枠を超えて文化になりつつある。日本が世界に誇れるアマチュアスポーツ。200回、300回と続けていかなければいけないし、私も含めて少しでも力になれればいい」と103回目を終えた大会のさらなる発展を願った。
来年度以降の継続は見通せず
異国の、しかも高校生の大会が、どれだけタイ人の興味を引いたのかは実感しにくい。ただ、東南アジアでのサッカー人気は高い。
昨年11月に2026年ワールドカップ(W杯)北中米3カ国大会アジア最終予選の日本-インドネシア戦がインドネシアで行われた際は、日本代表の練習場に現地メディアやファンが多数集結。アジア最強クラスの日本サッカーに寄せる関心の高さをうかがわせた。
配信を通じて選手権がタイを含む東南アジアのサッカー少年の憧れとなり、腕に覚えのある選手が日本の高校へのサッカー留学を目指す例が増えるかもしれない。Jリーグクラブのユースを含めた高校年代最高峰の高円宮杯U-18(18歳以下)プレミアリーグで、昨年は大津(熊本)が優勝するなど高校サッカーのレベルは高い。日本の高校サッカーでもまれた選手が母国の競技力向上、アジア全体の底上げに貢献すれば、対戦機会が多い日本代表の強化にとっても悪い話ではない。
視聴者の反応について、湯川専務理事は「レベルが高いと話題になったと聞いている」と述べた。ただ、選手権の海外配信が日本サッカー界に与える影響は不透明で、来年度以降の継続も見通せていない。
それでも、日本人の心を打ってやまない選手権をめぐるドラマには、海外でも通じる普遍性があり、高レベルの試合とともにピッチ内外のストーリーも伝えられれば関心を高められる可能性はある。初の海外配信の成否はともかく、興味深い試みだった。(奥山次郎)
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