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ドウデュース出走取り消しで本命不在 群雄割拠の大一番を制するのは 競馬の有馬記念

産経ニュース / 2024年12月22日 7時0分

2024年の中央競馬の総決算、第69回有馬記念(GⅠ)は22日に千葉県船橋市の中山競馬場(11R、2500メートル芝)で行われる。ファン投票で史上最多の47万8415票を集め、有馬記念が引退レースとなる予定だった昨年の覇者、ドウデュースが20日、右前肢跛行(はこう)のため出走を取り消した。この秋、天皇賞・秋とジャパンカップを制し、史上3頭目の秋古馬3冠を狙った大本命の不在により、レースは一転して大混戦の様相だ。

GⅠ馬9頭が出走

断然の主役を担うはずだったドウデュースが、よもやのアクシデントで出走回避を余儀なくされた。1番人気が確実視された現役最強馬の不在は残念だが、有馬記念には他にも9頭のGⅠ馬が名を連ねる。群雄割拠の大一番を制するのはどの馬か。

ドウデュースに代わって人気を集めそうなのが、3歳のGⅠ馬2頭だ。まずは日本ダービーを制したダノンデサイル。菊花賞は激しい位置取りにペースを乱され、最後は鋭い脚を見せたものの6着に敗れた。レース後は宮城県の山元トレセンでケアに励んで次第にトレーニングの質を上げ、11月下旬には栗東に帰厩(ききゅう)。2週前追い切りでは坂路で好時計をマークし、安田翔伍調教師は「自然体で仕上げたい」と頂点を狙う。

その菊花賞で優勝したのがアーバンシック。日本ダービーは11着に敗れたものの、秋初戦のセントライト記念で重賞初制覇。勢いをかって3歳クラシック最後の1冠を制した。その後は福島県のノーザンファーム天栄で5日まで調整し、美浦に帰厩。引き続き手綱をとるルメール騎手は有馬記念で最多タイの4勝目を目指す。

有馬記念をラストランに予定していた馬はドウデュースだけではない。今年のエリザベス女王杯を制したスタニングローズが有馬記念を最後に現役を退く。初コンビを組むのが、英国を中心にGⅠ通算200勝を達成したムーア騎手だ。11月30日に栗東に帰厩し、本格的な調教を開始。2022年秋華賞と合わせ、GⅠ3勝目を手にして引退に花を添えられるか。

春秋グランプリ制覇なるか

有馬記念は宝塚記念とともにファン投票で優先出走権が与えられるグランプリレースで、今年の宝塚記念を制したブローザホーンにとっては史上12頭目の春秋グランプリ制覇がかかる。前走のジャパンカップは12着に沈んだが、吉岡辰弥調教師は「展開が合わなかっただけ。具合はいいので、かみ合えばやれていい」と逆襲を期す。

大阪杯を勝ったベラジオオペラも、虎視眈々とGⅠ2勝目を狙う。天皇賞・秋で6着に終わった後は、有馬記念に向けて順調に調整しており、「トリッキーな中山競馬場はレースがしやすい」と上村洋行調教師。持ち前の機動力を発揮してファン投票3位の人気に応えたい。

昨年の天皇賞・春を制したジャスティンパレスは今年、4戦して未勝利と思うような結果が出ていない。昨年の有馬記念で1番人気(4着)に推された実力馬が、得意の長丁場で巻き返すか。

昨年のホープフルS勝ち馬で、牝馬として史上初めて2歳混合GⅠを制したレガレイラ、昨年の有馬記念で大外枠を克服して2着に食い込んだスターズオンアース、2021年の日本ダービーを制したシャフリヤールも侮れない。

有馬記念 1956年、日本中央競馬会(JRA)の当時の理事長、有馬頼寧(よりやす)氏がプロ野球のオールスター戦をヒントにファン投票選出馬によるレースを創設し、「中山グランプリ」の名称でスタート。翌年急逝した有馬理事長の功績をたたえ、第2回から「有馬記念」と改称された。毎年12月下旬の日曜日に開催され、暮れの風物詩として定着している。

これまでで最多の入場者数は、芦毛の怪物オグリキャップのラストランとなった第35回(90年)の17万7779人。武豊騎乗のオグリキャップは最後の直線で鮮やかに抜け出し、有終の美を飾った。

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