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混合団体ルーレットのリネール戦は「必然」 夫が「金」獲得したロスで雪辱を 斉藤三恵子さん 柔の道、寄り添う 番外編

産経ニュース / 2024年9月3日 10時0分

パリ五輪の柔道で、男子100キロ超級代表の斉藤立(JESグループ)は個人戦で5位に終わり、銀メダルだった混合団体の決勝ではテディ・リネール(フランス)に2度敗れた。悔しさが残った初の五輪を今後にどう生かすか。五輪2大会連続金メダルの故斉藤仁さんの妻で、立の母親として、連載「柔の道に寄り添う」で柔道一家の思いをつづってきた三恵子さんに話を聞いた。

個人戦の準決勝で韓国選手に敗れたのは、研究不足だったと感じました。前回対戦したときから相手は組み手を変えてきたのですが、それを上回る対策ができていませんでした。3位決定戦は心が折れてしまっていたのか、気持ちを立て直せないままメダルを逃しました。そのあたりは精神的な甘さだったと思います。

翌日の混合団体では、フランスとの決勝でリネールに2度負け、もちろん悔しいですが、本当に大きなものを得たと思います。とくに代表戦となった最後の試合は、持っているものをすべて出し尽くしたうえでの敗戦です。目指すべきものを明確にできたはずです。

代表戦を決めるルーレットが話題になりましたが、立も「来い!」と願っていたようです。私も含め、会場にいた多くの方が「90キロ超級」が出ると思っていたのではないでしょうか。必然の出来事だったように思いますし、「(代表戦の)リネールは過去一番に強かった」と話した立にとって、本当に貴重な試合になりました。また挑戦できるまで、リネールには現役を続けてほしいと思います。

帰国後は大阪に帰省する時間がありました。お世話になった方々にあいさつに行ったのですが、団体戦の銀メダルは持ってこず、私も見せてもらっていません。やはり本人は屈辱的な思いがこみ上げるようで、なかなかそういう気持ちになれないみたいです。

すでに陸上のトレーニングは再開していて、指導してくださる先生とは肉体改造を考えているみたいです。今回、決して体を持て余したというわけではないですが、スピード感という部分で改善の余地を感じたようです。精神面を鍛えるため、メンタルトレーニングのコーチに就いてもらうことも予定しています。

次の五輪が行われるロサンゼルスは、夫が1984年に初めて金メダルを獲得した場所です。そんなタイミングに息子が現役でいられるなんて奇跡のようで、それが宿命なのかもしれません。そのときは26歳。柔道家として一番強い年齢のはずです。パリ五輪を価値あるものにするためには次に勝つしかないので、死に物狂いでやっていくでしょう。これからまた結果を出して4年後の代表権を勝ち取り、同じ五輪の舞台で借りを返してほしいと思っています。(聞き手 大石豊佳)

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