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初の五輪は「いや~な感じ」の左ジャブでメダル挑戦 ボクシング男子57キロ級の原田周大

産経ニュース / 2024年7月22日 8時0分

サンドバッグを打つ原田周大(手前)と岡沢セオン=11日、東京都北区(奥村信哉撮影)

2021年東京五輪では男女合わせて3個のメダルを獲得したボクシングの日本勢。パリ五輪では、初出場で57キロ級の原田周大(専大)が、2大会連続出場で71キロ級の岡沢セオン(INSPA)とともに表彰台を狙う。「目標は金メダル。今が人生で一番強い」。22歳の若武者は、左ジャブと運動量を生かしたボクシングで頂点を目指す。

専大出身のボクサーといえば、「神の左」と称された左ストレートを武器に、プロで活躍した元世界ボクシング評議会(WBC)バンタム級王者の山中慎介さんが筆頭格だ。パリ五輪出場決定後、偉大な先輩と初対面したという原田は「(山中さんは)僕とは対極なボクシング。基本に忠実で、本当に素晴らしい左ストレートを持っている」。一方、自身のスタイルに関しては「どっちかといったら小手先の技、動きを軸に組み立てていく」と表現する。

一番の武器は左ジャブだ。「いや~な感じのジャブをずっと出し続けられるのが僕の強み。性格悪いんですよ(笑)。今こうされたら嫌だろうなっていうのがぱっと思い浮かぶ」。左から右へとつなぐような場面でもあえて左を使ったり、下がりながらも左だけは突き続けたりと、角度やタイミングを変えてしつこくジャブを繰り出し、相手のリズムを乱していく。

重視するようになったきっかけは、福岡・豊国学園高で2年先輩だった川谷剛史さんとのスパーリングという。高校2冠を獲得し、東洋大進学後に全日本選手権も制する実力者と拳を交えると、「左ジャブで組み立てられて、僕のパンチが全然当たらない状況をつくられた」。ジャブの重要性を実感し、磨き上げる中で力をつけた原田は、国体準優勝などの実績を残す。専大進学後には全日本選手権を制し、昨年の杭州アジア大会では銀メダルを獲得してパリ切符をつかんだ。

もっとも、アジア大会の決勝はアブドゥマリク・ハロコフ(ウズベキスタン)に2回KO負け。試合中には左目を眼窩底骨折した。「相手は1人でも強いのに、4人に見えた。『4人に増えたらどうにもできねえな』って(笑)」と振り返る。

あまりの悔しさから、大会後はどうすればハロコフに勝てるかを「『好きだったんじゃねえか』ってくらい、ずっと考えていた」そうだ。それでも、五輪が近づく中で「自分がどうしたら強くなるかを考えた方がいい」と思い直し、自身にベクトルを向けるようになった。

この1年は岡沢とともに海外での合宿を重ね、経験値を高めた。初の大舞台が迫っても、もう迷いはない。「動き続けて、左ジャブを出し続けて相手を嫌がらせて、ちょっとずつポイントを取って、勝ち逃げする。それ以外の動きは今からはもうできない」。一点突破に活路を見いだし、勝負のリングに上がる。(運動部 奥村信哉)

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