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センバツ「21世紀枠空白県」からの脱却なるか 横浜清陵、山城、壱岐が地区候補に選出

産経ニュース / 2024年12月29日 11時0分

来春行われる第97回選抜高校野球大会の21世紀枠の全国9地区の候補校が発表された。2001年大会から設けられた同枠での甲子園出場がないのは群馬、埼玉、神奈川、長野、三重、京都、奈良、大阪、岡山、鳥取、広島、福岡、長崎の13府県。今回、関東・東京地区で横浜清陵(神奈川)、近畿で山城(京都)、九州で壱岐(長崎)が地区候補になっており、来年1月24日に開かれる選考委員会で決まる最終の2校に選ばれれば、「21世紀枠空白県」からの脱却となる。

「文武両道」を実践

神奈川県勢は全国で唯一、地区候補になったことがなかった。そんな中、甲子園出場経験のない横浜清陵は横浜や東海大相模など、私立の強豪がひしめく地域で今秋、公立として唯一、8強入りするなど、近年、安定した成績を残している力が評価された。

離島にある壱岐は文武両道の進学校。「壱岐から甲子園」を合言葉に集まった部員全員が島内出身。遠征で島外に出る場合、フェリー代などが約30万円かかるため、練習試合などの機会は限られるが、今秋は県大会で準優勝し、九州大会でもベスト8に入った。

注目の近畿は伝統校の山城が選ばれた。最終的な選考では奈良大会で準優勝し、近畿大会に進んだ進学校の奈良との比較となった。どちらも「質の高い文武両道」を実践しているとされたが、1971年から聴覚障害のある生徒を受け入れているほか、少年野球との交流で地域に貢献している点などが評価された。同校野球部は全国に15校しかない夏の第1回地方大会からの皆勤校。最後の甲子園出場は61年夏。センバツ出場となれば57年以来、68年ぶりとなる。OBに元阪神の吉田義男氏がいる。

京都府勢は立命館宇治が秋季大会で準々決勝に進んだもののコールド負けを喫し、一般枠での選出は厳しい状況。山城が同枠で選ばれ、一般選考枠の5、6校目に近畿8強の大院大高(大阪)、滋賀県勢の滋賀学園、滋賀短大付のいずれかが入れば、近畿2府4県すべてで出場校を出すことになる。

横浜清陵、山城、壱岐の3校が府県勢として「初の21世紀枠」の吉報を待つ。一方で、同枠での甲子園出場に恵まれているのが今回、大田(おおだ)が中国地区の候補となった島根県勢。同枠で甲子園出場を決めたのは、北海道の5度に次ぐ4度(中止になった2020年大会の平田を含む)で、福島、和歌山、徳島と並んでいる。また、全国9地区の候補に入るのも今回25度目の選考で実に10度目。自動的に地区候補となる北海道を除くと最多だ。

北信越の候補となった小松工(石川)は秋季県大会準優勝、北信越大会4強の実力を持つ。1月の能登半島地震で被災し、8月の豪雨被害では近隣の民家で泥よけのボランティアを数回実施した。東日本大震災が発生した11年の翌年から、2年連続で東北地区から同枠が選ばれた。

過去に私立は土佐だけ

東海地区の名古屋たちばな(愛知)は今回の9候補で唯一の私立。過去、66校が同枠での甲子園出場(新型コロナウイルス禍で中止になった20年大会含む)が決まった中で、私立は13年の土佐(高知)だけ。

そのほかの地区候補は北海道の釧路江南、東北の久慈(岩手)、四国の高松東(香川)。同枠は部員不足、自然災害などの「困難克服」、学業と部活動を両立させた「文武両道」、ボランティア活動や野球教室などによる「地域密着」など戦力以外の実績にスポットを当て、私立の強豪に阻まれ甲子園が遠い古豪、新進校、僻地(へきち)の学校などに出場機会を広げてきた。ただ、成績は芳しくない。同枠のチームが一般選考枠のチームに勝ったのは15年、松山東(愛媛)が二松学舎大付(東京)を下したのが最後となっている。

来年1月24日の選考委員会で候補9校から東西を区別せずに2校が選ばれ、一般選考枠の30校とともに3月18日に甲子園で開幕する選抜高校野球大会に出場する。組み合わせ抽選会は3月7日に行われる。(高校野球取材班)

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