1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. スポーツ総合

元NBA・渡辺雄太がBリーグデビュー 〝史上最大のスター〟に期待されるもの

産経ニュース / 2024年10月13日 10時0分

千葉Jの新ホームアリーナ、ららアリーナ東京ベイ。収容約1万1000人を誇る=千葉県船橋市(萩原悠久人撮影)

一秒一秒をかみしめた。米プロバスケットボールNBAから今季、りそなB1リーグの千葉Jに加入した渡辺雄太は5日、新アリーナ「ららアリーナ東京ベイ」(千葉県船橋市)の大観衆に見守られながら、39分3秒もの間コートに立った。延長にもつれた宇都宮との一戦は試合が進むにつれ熱気が増し、ホームの千葉Jが91-84で勝利。渡辺は「こういうアリーナで素晴らしいお客さんの前でプレーできたことは本当に光栄」と感慨深げだった。

本場仕込みのプレー

渡辺はBリーグデビュー戦で16得点8リバウンドの活躍を見せた。下がりながら放つ「ステップバック」の3点シュートをはじめ、本場NBA仕込みのプレーで前半だけで11得点をまとめた。富樫勇樹との千葉Jでの〝日本代表コンビ〟の共闘も、観衆を沸かせた。

攻撃面はさることながら、守備面でもNBA級のプレーを見せた。マッチアップした宇都宮の比江島慎を、仲間と協力しながらわずか5得点に抑えたのだ。日本代表でともに長くプレーしてきた比江島は3点シュートを武器にする国内屈指のシューター。その比江島に満足にシュートを打たせなかったのだから、その価値は高い。比江島は「自分の持ち味を出せなかった」と脱帽した。

千葉Jのグリーソン監督は「試合を通して、いいディフェンスをしてくれた。渡辺は大学のころにディフェンスオブザイヤーを獲得している。千葉Jにとってはディフェンスは家の基盤になるもの。しっかり作り上げていきたい」と話した。オールラウンダーな渡辺の存在は、チームを4季ぶりのリーグ制覇へ前進させそうだ。

相乗効果を実感

Bリーグ始まって以来、最大のスター選手といってもいい渡辺には、試合前から大きな注目が集まった。開幕節のチケットはファンクラブ向けの先行販売で完売。当日のグッズ売り場は長蛇の列ができ、レジ15台態勢で出迎えた。

ららアリーナは収容約1万1千人とBリーグ屈指の規模を誇る。開幕節ではアウェーのゴール裏のスタンドにライブ用のステージを設置したため、1試合目は9708人、2試合目は9739人にとどまったものの、今後は常時1万人のキャパを埋めるという難題に挑む。

クラブによると、ファンクラブの会員数はすでに前季比で2倍となっている。「千葉Jにとって転換期。(渡辺には)集客面でも大きく期待している」と田村征也社長。クラブ広報は「新アリーナ(完成)に渡辺選手の加入で注目度が高まっている」と、早くも〝相乗効果〟を実感する。

アリーナは建設ラッシュ

千葉Jだけでなく、今季は長崎も新たに建設した大型のアリーナで開幕戦を戦った。Bリーグではアリーナの建設ラッシュが続いている。2026年スタートのトップカテゴリー「Bリーグ・プレミア(Bプレミア)」に参入するには売上高12億円、平均入場者数4千人などの要件とともに、クラブが優先的に使用可能な収容人数5千人以上のアリーナ確保も求められているからだ。

島田慎二チェアマンは「Bリーグも変革期を迎えている。そのようなときに渡辺選手が加入したことは大きい」と語る。アウェーでも渡辺見たさに人が集まれば、リーグ全体の集客の底上げにもつながる。リーグの〝顔〟として求められる役割も大きい。

開幕戦翌日の6日、渡辺は宇都宮戦の第1クオーターで3点シュートを放った後に比江島と接触、左足首をひねって負傷退場した。クラブによると全治6週間。デビュー2戦目でまさかの長期離脱となった。

それでも、渡辺は自身のインスタグラムに「しっかり治してすぐにコートに戻ります!」とファンにアピールした。きっとまた、全国のファンや日本バスケ界の未来を担う子供たちをひきつけるプレーを見せてくれるだろう。(石原颯)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください