期待と不安が交錯する新体制の川崎 補強は限定的も「力のある選手はいる」
産経ニュース / 2025年2月8日 9時0分
サッカーJ1の川崎が、期待と不安が交錯した新シーズンに臨む。昨季までJ1福岡を率いた長谷部茂利監督(53)を新たにチームに迎えた一方、選手補強は限定的で、陣容は8位に終わった昨季と大きく変わらない。堅守で知られる新指揮官と、攻撃的なスタイルが代名詞であるチームとの相性も不透明だ。鬼木達前監督が率いた昨季までの8年間で7個の主要タイトル獲得という黄金期の輝きが際立つだけに、求められる再建へのハードルは高い。
攻撃力は健在も主力は〝高齢化〟
昨季終了後、際立った実績のある選手の補強はなかった。2015年に柏の下部組織からドイツへ渡ってベルギーでもプレーした伊藤達哉には日本代表招集歴もあるが、Jリーグは初挑戦。23、24年と2年連続で優勝争いに絡めなかったのを考えると、心許なく感じられなくもない。
一方、横浜Mへ移籍した遠野大弥以外にダメージとなるような流出はなく、既存戦力は充実している。40歳の鄭成龍や38歳の家長昭博ら主力の高齢化は気掛かりながら、急激な戦力低下は考えにくい。
1月18日に新体制を発表した際に竹内弘明強化本部長が「力のある選手はいる」、長谷部監督が「補強はリクエスト通り。十分に戦力は整っている」と声をそろえたのも強がりに聞こえない。
昨季はJ1で存在感を示せなかったとはいえ、総得点66はトップだった広島の72に次いでリーグ2位だった。1シーズン制に戻った17年以降、優勝クラブの総得点はリーグ1位が5回、2位が2回、3位が1回で、総失点は1位が3回、2位が1回、3位が3回、7位が1回だ。バランスがいいのは当然ながら、優勝との因果関係は総失点よりも総得点の方が強い傾向があり、川崎の攻撃力が大きな武器であることに変わりはない。
気になる監督とチームとの「相性」
気になるのは、長谷部監督との相性だ。福岡を率いてJ1を戦った21年からの4シーズン、総得点のリーグ順位は12位、18位(最下位)、15位、20位(最下位)と下位で推移。J1で戦い続けられた原動力は堅守で、同期間における総失点のリーグ順位は7位、3位、9位、4位と奮闘している。
最新である23年度のトップチーム人件費は、川崎がリーグ3位の約32億8700万円だったのに対し、福岡は下から4番目で14位の約16億1100万円だった。川崎が全タイトル獲得を目指したのに対し、福岡の現実的な目標はJ1残留。福岡時代の長谷部監督は勝ち点3獲得に不可欠な得点を狙うより、最低限でも勝ち点1を拾える失点回避を優先して戦わざるを得なかったのだろう。
竹内強化本部長は新シーズンに向けて「狙えるタイトルはすべて狙う」と高い目標を掲げ、「長谷部監督は福岡のサッカーをするために川崎へ来たわけではない」と勝ち点3を奪いにいく采配への転換は可能との見解を示す。長谷部監督も「目標はGM(竹内強化本部長)が言った通り」と勝ち点3を狙う戦い方に自信をのぞかせた。
川崎の再建にはリーグ屈指の得点力を維持しつつ、昨季リーグ14位の57失点を許した守備陣を立て直す必要がある。攻守にタレントをそろえていることに異論はなくても、戦力の上積みがない中で達成するのは簡単ではない。
新たな挑戦に踏み出す川崎は今季、2月11日に再開するアジア・チャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)1次リーグ第7節から公式戦をスタートさせる。(奥山次郎)
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