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年間300万人来訪狙う神戸アリーナプロジェクト バスケチーム運営会社社長の渋谷順さん 一聞百見

産経ニュース / 2024年7月26日 14時0分

今年4月に行われた神戸ストークスのホーム最終戦。この試合で昨シーズンの年間観客数9万人を突破した=神戸市中央区のワールド記念ホールⒸKOBE STORKS

港町・神戸で約1万人収容の新アリーナと隣接する緑地パークから成る「神戸アリーナプロジェクト」の工事が、来年4月の開業に向けて着々と進んでいる。同プロジェクトを運営する「One Bright KOBE」(神戸市中央区)社長の渋谷順さん(60)は「365日にぎわいを生む神戸の新たなランドマークエリアの創出を目指したい」としている。

「新アリーナの工事進捗(しんちょく)率は先月までで約58%となっており、すべてオンスケジュールで進んでいる」

神戸市中央区の新港第2突堤エリアに誕生する新アリーナ「GLION ARENA KOBE(ジーライオンアリーナ神戸)」はプロバスケットボール男子Bリーグ2部(B2)に所属し、自身が運営会社の社長を務める「神戸ストークス」の本拠地となる施設だ。開業後は音楽コンサートや企業の式典などさまざまなイベントの開催を予定しており、「オープン以降の仮予約は順調で、目標の70%以上の稼働率は見込めそうだ。これは私たちにとっても勇気づけられる」と笑顔をみせる。

新アリーナについて「一番の特徴は〝民設民営〟の施設だということ」と言い切る。「大阪城ホールや横浜アリーナなどは公共施設なので何かと制約がある。私たちは自前のアリーナを使い、すべてフリーハンドで物事ができるので、相当な創意工夫ができるし、クリエーティビティーも発揮できる」と理由を説明する。また、その立地も大きなメリットと位置付ける。新アリーナは、神戸市中心部のJR三ノ宮駅や阪急神戸三宮駅などから徒歩圏内にあり、「神戸市約150万人、周辺を入れると約300万人を超える人口後背地があるのは非常に大きい」と話す。

一方、プロジェクトのもう一つの柱で、新アリーナに隣接する入場無料の緑地パーク「TOTTEI PARK(トッテイパーク)」でも、建物部分の建設工事が始まった。

三方を海に囲まれた約6千平方メートルのエリアに、緑に覆われた高さ10メートル超の建物を建築する。建物の屋根からは六甲山の山並みと神戸の港の景色が一度に楽しめるのが売りだ。また、バーベキューレストランや、オリジナルビールの醸造所なども整備されるという。

プロジェクトでは、新アリーナとパークで年間300万人の来訪を目指しているが、「新アリーナのキャパは年間100万人強なので、やはりパークの魅力で人を集めないといけない。そのためにイベントを積極的に開催していく必要がある」と戦略を描く。

そこで、パークイベントの充実を図るため、社内にイベントの制作チームを作った。「制作チームによる自主興行できちっと収益も上げるとともに、私たちがパークでやりたい世界観も実現できる」と考えているからだ。一方で、「街の中のコミュニティーを育んだり、にぎわいを創出する場所として、一般の方にも積極的にパークを活用してもらいたい」とも考えている。

来年4月13日からは2025年大阪・関西万博が開催され、プロジェクトもほぼ同時期の開業となる。「今のところ、(相乗効果を期待できる)具体的な話はないが、今後、そういう話があれば検討したい」としながらも「今は関係者が一丸となって工期に間に合わせ、良いものを届けたい」と意気込む。

B2優勝しプレミア参入へ

渋谷さんは、プロバスケットボール男子Bリーグ2部(B2)に所属する「神戸ストークス」運営会社の社長も務める。チームは昨シーズン(令和5~6年シーズン)、西地区5位でプレーオフには進めなかったが、年間観客動員数9万人という目標については、見事に達成した。

「冷静に考えれば、無理な数字なんです。正直に言うと、最初は無理だと思っていた」

ホームゲーム全30試合で観客動員数9万人の目標を掲げたときの心境をこう振り返る。

現在、Bリーグは「B1」、「B2」、「B3」の3部制(カテゴリー)を採用しているが、8年から「Bプレミア」、「Bワン」、「Bネクスト」の3部制に変わる。各カテゴリーへの振り分けもこれまでのシーズン成績ではなく、一定基準のホームアリーナ確保や入場者数、売上高に応じてカテゴリーが分けられる。

観客動員数9万人にこだわったのには訳があった。新たにトップカテゴリーに位置付けられる「Bプレミア」への参入要件として「5千人超収容のアリーナ」、「一定以上の売上高」のほか「1試合平均入場者数3千人」があり、「この条件をクリアするには、シーズンで9万人以上の観客動員が必要だった」からだ。Bプレミアへ参入できれば、日本代表選手を抱えるようなチームとも対戦できるなどあらゆる面で神戸ストークスの価値を高めることができる。

そこで、昨シーズンは今年2月からBプレミア参入に向けたプロジェクトを開始。プレゼント抽選会やハーフタイムのダンスパフォーマンスなどさまざまな集客策を打ち出す中で「ファンや関係者らから〝ストークスをBプレミアに連れて行こうぜ〟というムーブメントが起こった」と感じたという。最終的な観客動員数は9万1421人となった。Bプレミアへの参入チーム審査は今年10月に行われることになっている。

Bプレミア参入を目指す神戸ストークスだが「(8年の)参入までの2年間にどうしても達成したい大きな目標がある」という。

B2での優勝だ。今年10月の審査を経て、Bプレミアへの参入が決まっても「B2で優勝することなく、そのまま(トップカテゴリーの)Bプレミアに参入するのはいかがなものか」という思いがあるからだ。「今シーズンからの2年間、本当に頑張らないといけない。チームにはそのハッパをかけている」と力を込める。

来年4月に神戸ストークスの本拠地となるジーライオンアリーナ神戸が完成すると、今シーズン(令和6~7年シーズン)の途中から新アリーナが使え、来シーズン(7~8年シーズン)はフルに使えることになる。

「新アリーナ効果はやはり大きい。新アリーナとともにチームへの注目度や期待も高まることが予想され、選手らのモチベーションも高まるだろう」とみており、「すでに選手たちは〝結果を出さなければ〟という意識をかなり持っている」という。10月から始まる今シーズンの戦いに大きな期待を寄せている。

しぶや・じゅん 昭和38年大阪府生まれ。大阪経済大大学院経営学研究科修了。60年堺電機製作所(現・スマートバリュー)入社、平成24年7月にスマートバリュー社長。令和4年7月からOne Bright KOBE社長。5年12月、現在、プロバスケットボール男子Bリーグ2部(B2)に所属する「神戸ストークス」運営会社の社長に就任し、兵庫県や神戸市と連携しながらバスケットボールを通じた社会貢献活動にも力を注いでいる。

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