交流戦も「投高打低」 本塁打数減少、無安打無得点試合も
産経ニュース / 2024年6月19日 8時0分
「日本生命セ・パ交流戦」を終えたプロ野球は21日、リーグ戦が再開する。今季の交流戦は、パ・リーグが53勝52敗3分けで2年連続、16度目の勝ち越しを決め、楽天が初優勝を飾った。交流戦の本塁打数は計111本で、昨季の156本と比べて3割弱減少。チーム防御率も、広島の1・85を筆頭に10球団が昨季より良化しており、ここまでのリーグ戦に続いて、交流戦でも「投高打低」の傾向が続いた。(プロ野球取材班)
2005年に導入された交流戦は、今季が19度目(20年は新型コロナウイルス禍のため中止)。パが実に16度目の勝ち越しとなったが、接戦も多く、セとパの実力は拮抗(きっこう)していた。
今季はDeNAとヤクルトを除く10球団で本塁打数が減少。一方、広島の大瀬良大地が7日のロッテ戦(マツダスタジアム)で無安打無得点試合を達成したのをはじめ、完封試合は108試合中35試合あった。チーム防御率は広島が1点台、8球団が2点台をマーク。特に、楽天は昨季の4・29から2・29と大幅に改善し、初優勝の主な要因となった。
「投高打低」の傾向について、投手全体のレベルが上がっているとみる球界関係者は多い。特に分業化が進み七、八回を任される中継ぎが重視される近年、ヤクルトの大松尚逸打撃チーフコーチは「真っすぐが速くて、落差の大きいフォークを使える中継ぎ投手が、どのチームも増えている」と分析する。
交流戦では、セは中日の松山晋也や清水達也、広島の島内颯太郎、ヤクルトの大西広樹、パではオリックスのドラフト6位、古田島成龍や本田仁海、ソフトバンクの松本裕樹ら最速150キロ超の直球を武器とする中継ぎ投手の活躍が光った。
ロッテの荻野貴司は「ここ数年、中継ぎの投手も球が速い。簡単には点が取れないという印象を受けた」と明かした。DeNAの牧秀悟も「(全体的に)球速が上がっていて、150キロ以上が平均的。先発よりも中継ぎはもう少し速いので、捉えきれない球が増えている」と、終盤に得点することの難しさを語った。
一方、開幕直後から指摘されている「ボールが飛ばない」との声も根強く残る。DeNAの靍岡賢二郎オフェンスチーフコーチは「全体的にロースコアの試合が多いと肌で感じた。打球が飛ばないという部分も関与しているのでは」とみる。ロッテの村田修一打撃コーチは「ボールが例年より約3メートルは飛んでいないといわれる中で、『世界一』の投手を打ち崩すのは至難の業」と語った。
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