再び始まる〝二刀流〟物語 大谷翔平の次なる照準は「ワールドシリーズ連覇」
産経ニュース / 2025年1月1日 5時0分
新たな年が幕を開けた。2025年も、スポーツ界の話題の中心は米大リーグ・ドジャースの大谷翔平(30)に違いない。23年秋に受けた自身2度目となる右肘の靱帯(じんたい)再建手術(通称トミー・ジョン手術)を経て、今季は再び投打〝二刀流〟でのシーズン完走を目指す大谷。目標だったワールドシリーズ(WS)制覇を味わい、次に見据えるは、「もちろんWS連覇」だ。
WS連覇は7球団14度
ドジャースに移籍し、打者に絞って臨んだメジャー7年目の昨季は、記録ずくめのシーズンだった。159試合出場で54本塁打、59盗塁をマークし、前人未到の「50本塁打、50盗塁」を達成。7年間の通算で225本塁打を積み上げ、松井秀喜の日本選手最多記録(175本)、秋信守(韓国)のアジア選手最多記録(218本)を塗り替えた。
自身初のポストシーズンでWSを制し、指名打者(DH)専任では初となる自身3度目の最優秀選手(MVP)も手にした。はたからは全てを手にしたようにも見える。それでも「次に欲しいものは?」と問われると、よどみなく言葉をつむぐ。
「もちろん連覇したいというのが一番。毎年、必ずどこかしらのチームが優勝するものだけど、連覇となると話は別。かなり回数が限られてくるし、それだけ特別な、難しいことだと思っている。そこが一番やりたいこと」
移籍市場が活発化する昨今、戦力均衡を心がける大リーグでのWS連覇は1998~2000年に3連覇したヤンキースが最後。21世紀に入ってからは一度もない。1903年からの長い歴史を振り返っても、30球団のうち7球団で14度に留まる。これまでWSを8度制しながら、連覇は1度もないドジャースに新たな勲章をもたらすことが、目下の目標だ。
自身の右腕が、その浮沈を握ることになるだろう。現在は昨年10月のWSで脱臼した左肩のリハビリをしながら、投手復帰を見据えた練習も進めている。ドジャースは昨季、投手陣に故障が相次いだ。「どちらも規定(打席、投球回)に近いくらいが理想」と、年間を通じて二刀流で戦ったエンゼルス時代の2021~23年の姿を思い描いている。
足るを知る
昨年7月に30歳の誕生日を迎えた。野球人としてのピークを「どれだけ維持できるのか、向上していけるのか」。老け込むつもりはないが、「パフォーマンスが低下してくる先(未来)も見据えて取り組まないといけないことはたくさんある。考えたくないところも考えなければいけない、そういう年になってきている」と客観視する。
同時に、ここ3年ほどで「『足るを知る』じゃないですけど、『十分足りているな』『ありがたいな』と思う部分が周りの環境も含めて多くなってきている」と心境の変化も明かす。「長く続けたい」とこだわる二刀流も、健康な体とチームの理解がなければ成り立たない。「最後に勝つことを想定して、シーズン中は(投打のバランスを)組み立てる必要がある」と、チームと相談を重ねながら最適な道を探っていく。
醍醐味を発信
「野球しようぜ!」のメッセージとともに、日本全国約2万校の小学校に約6万個のグラブを届けると発表したのは23年オフのこと。連日満員の球場からは想像しづらいが、野球人口は世界的に減少の一途をたどっている。「充実した人生を送る機会を与えてくれた」という野球の魅力をいかにして広めていくか。大谷の答えは明快だ。
「いろんな形で貢献できることはたくさんあると思うけど、現役のときにやるべきことはグラウンドの中で自分のパフォーマンスをどれだけ高いレベルで発揮できるかどうか。ひいては、それが(野球振興の)貢献に一番つながると思う」
1年間を戦いきった先には、日本が連覇を狙う26年ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)も控える。初出場だった23年大会は投打で暴れまわり、歓喜の中心にいた。「呼んでいただけるなら、何回だろうと出場したい」。打って、走って、投げて、叫んで…。今年も全身全霊で、愛する野球の醍醐味(だいごみ)を世界中へ発信していく。(川峯千尋)
◇
東京ドーム開幕戦 今永ら所属のカブスと対戦
大谷翔平、山本由伸を擁するドジャースの2025年開幕戦は、日本が舞台となる。3月18、19日、今永昇太と鈴木誠也が所属するカブスと東京ドームで激突する。
多くのファンが待ち望むのが、大谷の開幕戦での〝二刀流〟復活だろう。球速70マイル(約113キロ)ほどのキャッチボールなどで投手としての調整を進める大谷は、「なるべく早く復帰することに焦点を当てたい」と意欲を示す。一方、ロバーツ監督は昨年12月の来日時、大谷の負担を考慮し「開幕段階での投手復帰は難しい」と話しており、判断が待たれる。
大リーグの試合が日本で開催されるのは、イチローの引退試合となった2019年3月のマリナーズ-アスレチックス戦以来となる。ロバーツ監督は「日本の野球愛、ドジャース愛を知っている。楽しんでいただけると思う」と最高の試合を約束。1試合単位から申し込める一般チケットは1月10日午後7時から販売される。
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