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プロバスケットB1茨城ロボッツ 新カテゴリー「Bプレミア」入りへ〝奮闘〟の日々 深層リポート

産経ニュース / 2024年8月3日 8時0分

水戸市を本拠地とするプロバスケットボールBリーグ1部(B1)の茨城ロボッツ。昨シーズン(2023~24年)は、2026年にスタートする新たなトップカテゴリー「Bリーグ・プレミア」(Bプレミア)への参入基準となる1試合平均入場者数4千人、売上高12億円といったハードル超えのかかる〝正念場〟となった。クラブの奮闘ぶりを追った。

まさかの連敗街道

白星が遠かった。ロボッツは昨年10月の開幕から10連敗。11月に入って初勝利したが、12月末の2勝目まで新たに14連敗した。この間、指揮官は2人交代。好成績で観客数と売り上げの増加を期待したクラブのもくろみは崩れた。

だが、ブースター(ファン)はチームを見放さなかった。22~23年は3480人だった1試合平均の入場者数は4千人台をキープ。ロボッツのホーム30試合中、28試合へ足を運んだ水戸市在住の地方公務員、宮崎良太さん(36)は「いつか調子は上がると信じていた。負け続けても罵声などは聞かれず、試合の最後まで席を立つ人はいなかった」と振り返る。

クラブの営業努力も功を奏した。企業や団体などをこまめに回り、格安チケットや優待券を購入してもらう〝ドブ板作戦〟で、とにかく一度、ホームゲームへ足を運んでもらうよう呼びかけた。

合言葉はB1継続

上位進出は望めず、チームの目標は「B1継続(残留)」に切り替わった。B2からもBプレミア入りは可能だが、「B1とB2では対戦相手が変わり、観客動員、スポンサーの売り上げに影響する。Bプレミア入りへ向け、B1継続は必須だった」とロボッツの川崎篤之社長は語る。

B1の24チーム中、22位以上が来季も残り、23位以下はB2へ降格する。ロボッツは信州と継続を争ったが、今年4月21日にはBリーグ発足後、一度も勝てなかった難敵・千葉Jをついに下した。宮崎さんは「ジェッツに勝てる日が来るなんて…。夢のようだった」と感激を語る。この1勝が大きくものをいい、最終的にB1へ踏みとどまった。

観客数も1試合平均で4619人とB1で11位につけた。水戸市の人口は約26万7千人。「人口規模、経済規模の小さいこのまちで、他の大都市に引けを取らない数字を達成できたのは地域の皆さんの総力を結集できたおかげ」と川崎社長は感謝する。

クラブでは来場者にLINE(ライン)登録してもらい、その後の来場のたびにポイントを付与。獲得ポイントに応じてステッカーやミニタオルなどをプレゼントした。「結果(再来場の)リピート率は56%とスポーツ界全体でも高い数字」と川崎社長は胸を張る。

残るはアリーナ改修

シーズンの売り上げ12億円もクリア。来季(2024~25年)はさらに14億円を目指すという川崎社長は「昨季6~7割だった正規価格のチケットによる入場者を7~8割に増やしたい」と胸算用する。

Bプレミア入りへ向け、残る条件は本拠地のアダストリアみとアリーナへのVIPルーム、ラウンジシートの設置だ。同アリーナは公設の体育館で、改修には水戸市や市議会の協力も欠かせない。

改修費用は市とロボッツなどの民間で折半する予定だ。民間側がこれまで集めた資金は1億5600万円。「最低でもその倍(約3億円)は民間で集めて改修にめどをつけ、年内にBプレミアのライセンスを確定させたい」と川崎社長は言葉に力を込める。

Bリーグ・プレミア Bリーグが米プロNBAに次ぐ「世界第2のリーグ」を目指し、2026年に創設する新たなトップカテゴリー。クラブの健全経営や戦力均衡化のため、昇降格制度を廃止し、年俸総額の上限を定めるサラリーキャップやドラフト制度を導入する。当初、クラブ数は最大18とされていたが、昨シーズンに参入基準の一つの1試合平均入場者数4千人をB1とB2の22クラブが上回ったことなどからクラブ数の制限はなくなる見込み。

~記者の独り言~ 運動部時代は野球担当で、Bリーグの取材経験はなかった。水戸支局長となり、ロボッツの試合を観戦してスピーディーな展開や迫力、選手と観客の距離の近さといった魅力を知った。ブースターの宮崎さんは、ロボッツのBプレミア入りを「ドラフトによる戦力均衡化で勝つチャンスが増え、チームがチャンピオンシップなどへ進出する姿を夢見ることができるのは楽しみ」という。実現を望みたい。(三浦馨)

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