久元喜造神戸市長「阪神・淡路大震災から30年、いまなお哀惜の念」追悼のことば全文
産経ニュース / 2025年1月17日 12時8分
阪神・淡路大震災の発生から30年となった17日、神戸市中央区の東遊園地で「阪神・淡路大震災1・17のつどい」が開かれた。久元喜造市長は追悼のことばで「失われた夢や希望、その先も紡がれるはずであった何げない日々を思うと、いまなお哀惜の念にたえない」「能登半島の被災地に対し、さらに支援を強化していく」などと述べた。
全文は次の通り。
◇
1月17日。灯が示すこの日は、神戸にとって忘れえぬ日です。
あの阪神・淡路大震災から30年の歳月が流れました。夜も明けぬ中、轟音(ごうおん)とともに発生した大地震は、私たちのまちを一瞬にして破壊し、多くの尊い命を奪い去りました。失われた夢や希望、その先も紡がれるはずであった何げない日々を思うと、いまなお哀惜の念にたえません。震災により、亡くなられた方々とそのご遺族に対し、心より哀悼の誠をささげます。
あの日、壊滅的な被害を受けた神戸のまちは、国内外からの多大なるご支援と、市民のみなさまの力で復興を果たすことができました。
一方で、この30年の間、東日本大震災や熊本地震をはじめ、毎年のように大規模な自然災害が日本各地を襲い、甚大な被害をもたらしています。
とりわけ、昨年の元日に発生した能登半島地震、また、その復興のさなかに発生した奥能登豪雨により、北陸では今も多くの方々が避難所生活を余儀なくされています。私たちは、能登半島の被災地に対し、さらに支援を強化してまいります。
地震などの災害は、いつどこで、どのような形で起こるか、私たちには分かりません。その前提に立ち、ハード・ソフトの両面から災害に強いまちづくりを進めていかなければならない。これが、私たちが多くの犠牲のもとに学んだ教訓の一つです。
あの震災の日から、神戸では防災力を高めるため、大容量送水管の整備、下水道ネットワークシステムの構築、千年に1度の津波にも対応できる防潮堤の整備など、災害に強いまちづくりを進めています。
私たちは、震災時に受けた国内外からの支援に対する感謝の気持ちを忘れることなく、震災の経験や教訓を活かし、防災・減災・安全・健康などの分野で、他の都市や地域に貢献し続ける都市でありたいと思います。そして、そのことにみんなが誇りを持つことができるまちづくりを今後も進めていくことを、ここに誓います。
2025年、神戸空港の国際化とともに、神戸は新たなステージに立とうとしています。
私たちは、「1月17日」の悲しみを決して忘れることなく、その記憶とともに、新たな時代へと歩み続けていきます。
最後に、震災で亡くなられた方々とそのご遺族に対し、重ねて哀悼の意を表すとともに、今日のつどいにご参加いただきましたみなさまに感謝申し上げ、追悼のことばといたします。(令和7年1月17日)
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