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被葬者、継体大王支えた人物か 滋賀・野洲の亀塚古墳、帆立貝形と判明

産経ニュース / 2024年9月6日 19時31分

滋賀県野洲市の亀塚(かめづか)古墳(5世紀末~6世紀初頭)を発掘調査した市教育委員会は6日、墳形が帆立貝形と判明したと発表した。古墳時代を通じ首長墓が連綿と築造された大岩山古墳群の一基だが、亀塚古墳の時期だけ同じ規模の古墳が周辺にもう2基ある。今回の調査で2基との違いが鮮明となり、調査担当者は「ともに継体大王(天皇)を支えた人物の可能性が考えられる」と被葬者像を推察する。

亀塚古墳は平成19年度の発掘調査で前方後円墳または帆立貝形古墳とされていた。今回の調査で両隅を確認。後円部の直径が32メートル、前方部の長さが15メートルで、全長は47メートルと判明した。

調査した市教委文化財保護課によると、前方部の長さが後円部の半分以上だと前方後円墳、半分以下だと帆立貝形とされるため、前方部があと1メートル以上長ければ前方後円墳だった。

幅4メートルほどの周濠も確認され、墳丘を飾ったとみられる円筒埴輪や、家形、盾形の埴輪片も出土した。埴輪片は畿内の古墳造営集団に特徴的なもの以外に地元の工人が製作したとみられるものも目立ち、在地性の高さがうかがえるという。

亀塚古墳と同時期の2基は越前塚(こしまえづか)古墳と天王山古墳で、いずれも全長約50メートルの前方後円墳。越前塚古墳は近江で最古級の横穴式石室を備え、天王山古墳は海外との交易を示唆する韓式土器が出土するなど、中央政権とのつながりが色濃い。

この3基の半径1キロ圏内にあり、1世代新しい林ノ腰古墳(消滅)は全長約90メートルの前方後円墳で、被葬者は近江出身の継体大王配下の将軍、近江毛野(おうみのけな)とする説が有力。継体大王の最初の妃は東海地方の豪族の娘。

調査を担当する鈴木茂さんは「大岩山古墳群周辺は土器などから東海地方との交流がうかがえる」とし、在地性の強い亀塚の被葬者と中央集権に近い越前塚、天王山の被葬者は協力し、若い継体大王を支えた可能性を指摘する。

現地説明会は29日午後1時半から。19日までに市文化財保護課(077・589・6436)に事前申し込みが必要。先着80人で市役所からバスを運行する。

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