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山上徹也被告の公判は来年の可能性、情状面や量刑が争点か 安倍元首相銃撃事件から2年

産経ニュース / 2024年7月7日 14時50分

自民党の安倍晋三元首相が奈良市での参院選の演説中に銃撃されて死亡した事件は8日、発生から2年となる。だが、殺人や銃刀法違反などの罪で起訴された山上徹也被告(43)の裁判員裁判がいつ奈良地裁で開かれるのか、めどは立っていない。山上被告が犯行に至った境遇や凶器となった手製銃の法律上の位置づけなどを巡り、水面下で検察側と弁護側の駆け引きが続いているとみられ、初公判が来年以降にずれ込む可能性も高くなってきた。

審理に向けて争点や証拠を絞り込む公判前整理手続きはこれまでに4回開かれ、検察側からの主要な証拠の開示はほぼ終わったとみられる。今後の手続きで争点整理が進められる見通しで、裁判員選任などにも時間を要するため、関係者は「年内の初公判は厳しい」とみる。

公判前整理手続きが長期化する背景には、この事件の特異性がある。山上被告は、母親が多額の献金をした世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に恨みを募らせていたとされ、逮捕後に「(教団を韓国から)招き入れたのは岸信介元首相。だから(孫の)安倍氏を殺した」と供述していた。

元首相の殺害という社会的影響の大きい事件だが、山上被告の弁護団は「政治的な信条が動機ではないが、個人的な恨みを晴らすためにやったということでもない」と説明。公判で、弁護側はこうした複雑な動機について山上被告の家庭環境とあわせて主張する構えで、それに向けた双方の争点整理が長引いているとみられる。

さらに特異なのは、犯行に手製の銃が使われた点だ。山上被告はインターネットで調べた情報をもとに、市販されている材料を使って大きさや形状が異なる数丁の銃を自作したとされる。

検察側は凶器の手製銃が、銃刀法違反罪で定義された「拳銃、小銃、機関銃又は砲」にあたるとしている。一方、本来の拳銃とは性能や形状が異なるのではないかという見方もあり、弁護団は開示された証拠などをもとに、山上被告が銃刀法違反罪に問われることが適正なのか否か、慎重に検討を重ねている。

近畿大法学部の辻本典央教授(刑事訴訟法)は「(山上被告の)犯行時の心理状態など、弁護側が主張するであろう内容と検察側の主張の対立点がまだかみ合っていないのでは」と推測。争点については「事件に至る境遇や背景などをもとにした情状面や量刑がポイントとなるだろう」と述べた。(秋山紀浩)

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