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巧妙マニュアル、複数の類似グループ…全貌浮かびつつあるSNS投資詐欺グループ

産経ニュース / 2024年10月11日 18時25分

大阪府警が7月、2つの投資詐欺グループの拠点を一斉摘発し、100人以上を逮捕した大規模詐欺事件で、組織の全貌が明らかになりつつある。府警の捜査で、ほかにも同様の複数の投資詐欺グループが活動していたことが判明。府警は住居不詳の会社役員、池宮悠仁(ゆうじん)容疑者(29)が全体を統括していたとみて、主要メンバーら5人とともに詐欺容疑で公開手配し、行方を追う。

女性名のアカウントで、交流サイト(SNS)にブランド品や高級ディナーといった「優雅で豪華な生活」の様子を投稿し、それを呼び水に噓の投資話を持ちかけていた詐欺グループ。府警は関係先から約2600台のスマートフォンや、50台以上のパソコンを押収し今月11日、それらを基に再現した拠点の様子を報道陣に公開した。

カーテンが閉め切られた部屋の長机の上に、びっしりと並ぶスマートフォン。メッセージが届くと、待機していた「打ち子」がすばやくスマホを取りメッセージを打ち込む。作業を終えると今度は別のスマホが着信し、同じ作業を繰り返す。1人が扱うスマホは数十台。拠点ではこうした光景が繰り返されていたという。

報酬は完全歩合制。部屋のホワイトボードには各自の売り上げが書かれており、月に100万円ほど稼ぐメンバーもいた。《1人の生徒を深掘りして、誰でもできるってみせる》。《よい生活したいなら、今どこかで変わらないといけない系(のメッセージを送る)》。公開されたグループの「営業方針」には、若者を投資に向かわせる巧妙な言葉が並ぶ。

最多の約90人が所属し、大阪市などに拠点があったグループでは、現場リーダートップの上林樹生(かんばやしみきお)容疑者(29)=詐欺容疑で逮捕=の下で幹部5人が活動。人材のスカウトや売り上げ管理など実務を担当し、その下には「キング」や「エース」、「オールイン」といったチーム名がつけられた打ち子が所属する実行部隊が複数あった。

「優秀な人間は表彰されていた」「家にスマホを持ち帰り、仕事に打ち込む人もいた」。逮捕された末端メンバーは、打ち子同士を競わせる空気があったと証言。組織は会社さながらに、売り上げ拡大の役員会議を定期的に開き、打ち子の採用はメンバーの知人を中心に、最終的に幹部が面接をして決めていた。

府警によると、少なくとも令和3年から活動を始めたとみており、被害総額は10億円近くに上る。複数の類似グループについて府警は、匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)とみて捜査。「オンラインでグループの幹部同士が情報共有できるシステムも構築されていた」(捜査関係者)といい、詳しい金の流れを含めて解明を続ける。(鈴木文也)

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