各地で宅地造成、沿線発展 駅名変更、観光客も増加 湖西線開通50周年㊥
産経ニュース / 2024年7月17日 16時0分
昭和49年7月に誕生したJR湖西線は、沿線の発展に大きく影響した。10年前の39年に琵琶湖大橋が開通したことと合わせ、湖西地域の交通利便性は一気に向上。宅地が造成され人口も増加した。新駅の設置や駅名変更により観光地化が進み、「湖西線の開通で街は大きく発展した」との声は根強い。
京阪神へ地理的に近い湖西地域では交通利便性の向上で土地の需要が高まり、昭和40年代初頭から旧志賀町を含む大津市などで宅地造成が進んだ。
大津市北部にある「びわ湖ローズタウン」は湖西線の西側を切り崩し、宅地を造成。湖西線開通と同じ49年に分譲を開始した。
人口増に合わせて、55年に小野小学校が開校したほか、役場の支所、公園などの公的施設も整備され、今も4947世帯1万257人(今年3月末時点)が暮らしている。
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「JRの駅ができます。これが最大のうたい文句だった」。昭和50年代中頃にローズタウンに居を構えた内田成康さん(79)は当時を振り返る。
周囲は山や琵琶湖など自然に恵まれており、ロケーションは抜群。一方で、湖西線で京都や大阪へ行くには、バスで最寄りの和邇(わに)駅か堅田駅まで行く必要があった。購入希望者の多くは30~40代の働き盛りの世代で、通勤に欠かせない新駅の設置が望まれたことは想像に難くない。
そこで昭和63年、湖西線開通後唯一の新設駅となる「小野駅」が誕生した。
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駅は街のイメージに直結することも多い。
湖西線が開通した後に駅名を変更したのは、叡山駅(現比叡山坂本駅)と西大津駅(現大津京駅)、雄琴駅(現おごと温泉駅)の3駅。いずれも観光地化やイメージアップを狙ったものだった。
このうち雄琴は歓楽街の印象が強く、昔から男性の団体客が多かった。平成20年の駅名変更の際には、ひらがな表記にして知名度を向上させたほか、温泉地であることをアピールした。
その結果、繁忙期は行楽シーズンの秋から夏休み時期にかわり、家族連れが増えるなど客層も様変わりした。近年では、修学旅行などの宿泊客やインバウンド(訪日客)も増加。おごと温泉観光協会によると、コロナ禍前の令和元年には約52万人の観光客が訪れたという。
協会の池見喜博会長(52)は「駅名表記をみて、京都から近い温泉街とイメージが付いたと思う」と話し、来年に開催の迫った2025年大阪・関西万博の効果にも期待を寄せている。
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