「日本で最も珍しい魚!?」タンゴスジシマドジョウを展示 琵琶湖博物館
産経ニュース / 2024年6月13日 14時30分
京都府丹後地域の1河川にのみ生息する淡水魚を紹介する水族トピック展示「日本で最も珍しい魚!?タンゴスジシマドジョウ」が琵琶湖博物館(滋賀県草津市)で開催されている。同館ではタンゴスジシマドジョウの人工繁殖に今年度から本格的に着手しており、こうした取り組みも知ってもらおうと企画された。
タンゴスジシマドジョウは体長6~8センチ。環境省のレッドリストでも最も絶滅のおそれが高い絶滅危惧IAに指定。環境省の国内希少野生動植物として捕獲が原則禁止されている。
平成22年に初めて発見され、28年に学名が付いた新種の魚で、令和2年から京都府宮津市の丹後魚(うお)っ知(ち)館で繁殖が試みられてきた。
しかし、昨年5月に同館が閉館したため、繁殖技術を伝えていた琵琶湖博物館が成魚14匹を譲り受け、今月中にも人工繁殖が行われる見込みとなっている。
展示されているのは、近畿大学で繁殖が成功した幼魚約20匹。独特の表情や砂の中の小さな虫などをついばむ姿に愛嬌(あいきょう)があり、来館者の目を楽しませている。
人工繁殖を担当する田畑諒一学芸員(魚類学)によると、タンゴスジシマドジョウが生息しているのは丹後地方の河川でもかなり限定された水域で、河川改修や大洪水といった減少要因を奇跡的に乗り越えてきたと考えられるという。
田畑学芸員は「いろいろな人が協力して希少淡水魚が生息できる環境を守っていることや、試行錯誤を繰り返しながら人工繁殖に挑んでいる現状を知ってもらえたら」と話している。
水族トピック展示は「よみがえれ!!日本の淡水魚」のコーナーの一角で9月1日まで。入館料は一般800円など。問い合わせは同館(077・568・4811)。
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