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パワハラの責任あいまい、ファンも胸中複雑 20日に宝塚宙組公演9カ月ぶり再開

産経ニュース / 2024年6月19日 16時0分

宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)の宙組劇団員の女性が昨年9月に急死して以降、活動停止状態にあった宙組の公演が20日、本拠の宝塚大劇場で約9カ月ぶりに再開する。歌劇団側は3月末に上級生らによるパワーハラスメントを認めたが、「責任は歌劇団にある」という姿勢だ。パワハラ当事者の責任があいまいなまま再開を迎えることには、ファンからも戸惑いの声が上がる。

女性の急死が判明したのは昨年9月30日。前日に開幕した宙組公演は翌10月1日から全日程が中止となった。事態が動いたのは今年3月末。遺族側が主張した上級生によるパワハラを歌劇団がほぼ認め、不合理なルールの廃止や長時間労働の改善など、組織風土の改革案を発表した。

個人の責任問わず

一方、遺族側が「少なくとも10人」と主張したパワハラ当事者の処遇について、歌劇団は「本人に悪意はなかった」「組織運営の怠慢が原因で、責任を負うべきは歌劇団」として個人の責任は問わない姿勢だ。

これには今月14日の、歌劇団を傘下に持つ阪急阪神ホールディングスの株主総会でも株主から厳しい指摘が相次いだ。

意識の変化知りたい

ファンの胸中も複雑だ。劇団員を公私で支える私設ファンクラブの元代表の女性は、「パワハラに無関係だった人は舞台に立つ機会を長く奪われていた。公演再開は良かった」と話すが、「パワハラをした人は責任を取るのが筋。見るほうもモヤモヤする」と訴える。

この女性は責任をあいまいにすることで、「パワハラが宝塚全体の問題だと思われるとほかの組がかわいそう」とも。「世間の目からパワハラ当事者の責任を隠すのではなく、劇団員一人一人の生活を守る体制に変わってほしい」と求める。

歌劇団は従来、大劇場公演前にトップスターの取材会の場を設けてきたが、今回は「出演者の負担が重い」として開かなかった。

宝塚歌劇の長年のファンで作家の玉岡かおるさんは、「女性が亡くなってから宙組の生徒たちが何を考え、どのような意識の変化があったのかを知りたい」とし、「再開前に組長やトップスターには『あしき伝統は断ち切る』と表明してほしかった」と嘆く。

宙組は10月から全国ツアーの実施も発表されている。玉岡さんは「不信感が残っていても、幕を上げさえすればいいというのはファンを軽く見ている」と指摘した。(田中佐和、藤井沙織)

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