祇園祭プレミアム席の酒類提供は見送り 八坂神社宮司が問題視 水やソフトドリンクのみに

京都市観光協会は２０日、祇園祭前祭（さきまつり）の山鉾（やまほこ）巡行（７月１７日）で販売する「プレミアム観覧席」について、酒類や食事の提供を見送ると発表した。八坂神社（同市東山区）の野村明義宮司（６５）が酒類提供などを問題視し、協会理事の辞任意向を伝えたことを受けて方向性を見直した。今年は水やソフトドリンクの提供にとどめるという。

祇園祭は疫病退散を祈り始まった八坂神社の祭礼。協会は昨年から山鉾の方向転換を間近で見られるプレミアム観覧席を販売し、今年は１席１５万～２０万円で販売。酒類を含む飲食物を提供するとしていた。

これに対し野村宮司は「（巡行は）パレードではない」と問題視して協会理事の辞任を示唆していた。この日、協会とともに記者会見し「観覧する人には祭りの意義を考えてほしい」と述べ、理事も辞任しないとした。協会はすでに席を購入した人に個別に連絡して経緯を説明する方針。