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猛暑でサングラスも解禁「夏の警察官スタイル」に理解呼び掛け、広がる暑さ対策

産経ニュース / 2024年7月19日 10時51分

炎天下で活動する警察官の暑さ対策を各地の警察本部が急ピッチで進めている。市民の安全確保のため、防刃チョッキなど重装備で街頭に立つ警察官。猛暑日が連日続く近年は熱中症で倒れるケースも相次いでいた。強い日差しから目を保護するためのサングラス着用のほか、冷却グッズの使用を認める動きが広がっている。

大阪府警は今月10日、すべての警察官を対象に冷却用のネックリングやドリンクホルダーの着用を認める通知を出し、サングラスの着用も呼びかけた。

「防暑対策品を活用することで、パフォーマンスを落とすことなく、府民の安全のために活動できる」。大阪府警警務部の吉田一理事官はこう語る。

12日には実際に防暑仕様のいでたちをした警察官をお披露目するデモンストレーションも実施。新たな「夏の警察官スタイル」をアピールした。

府警によると、これまでサングラス着用については特段の規定を設けておらず、禁止もしないが、積極的な勧奨もしてこなかった。このため日常的に強い紫外線にさらされる白バイ隊員や船でパトロールする警察官など限られた現場でしか着用されてこなかった。

今年は、警察庁が4月に暑さ対策を求める通達を発出。これを受けて府警でも積極的に着用を呼びかけることにした。上司の許可は必要ないが、色は黒や紺を基調としたシンプルで実用性があるものとする基準を定めた。

府警幹部によれば、警察官のサングラス着用を巡っては、これまで「親しみが持てない」「威圧感がある」とマイナスイメージが先行し、浸透しなかった。ただ紫外線対策が必要なのは、白バイ隊員らのみならず、パトロールに出る地域の警察官も同様。「街頭活動にあたる警察官は積極的にかけて」と話す。

こうした対策は千葉、愛知や福岡、三重など各警察本部で進む。ただ過去には白バイ隊員を除き、サングラス着用を原則禁止としていたところも。このため市民らの抵抗感を少しでもなくそうと交流サイト(SNS)などを通じてPRする動きも出ている。

今月からサングラス着用を始めた青森県警は公式X(旧ツイッター)に風鈴のイラスト付きで《サングラス、はじめました》と投稿。《目の健康被害の軽減と交通事故防止を図るために、職員がサングラスを着用しております。御理解ください》と書き込んだ。

名古屋学院大国際文化学部の柴崎全弘(まさひろ)准教授(心理学)はサングラスにマイナスイメージがあった背景として「目でコミュニケーションをとる日本特有の文化が大きく影響している」と分析。口元に注目してコミュニケーションを取る傾向がある欧米と比べ、日本では目から相手の感情を読み取る特徴があり、その目の動きがサングラスで遮断されることで親しみを持ちにくくなってしまうのでは、と指摘する。

もっとも近年は、若年層を中心にファッションアイテムとしてサングラスが普及。「社会的にも着用への抵抗感は少なくなってきている」としている。(木下倫太朗)

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