モペットを「免許不要」とPR、特定小型と偽り販売か 大阪の業者を摘発

運転免許が必要なペダル付き電動バイク「モペット」を免許不要と偽って販売したとして、大阪府警は31日、不正競争防止法違反（誤認惹起表示）と詐欺の疑いで、大阪市東住吉区の自転車製造販売会社「Wiz　World」役員の男（47）と元社員の男（30）を書類送検した。府警は起訴を求める「厳重処分」の意見を付けた。役員の男は容疑を否認、元社員の男も一部を否認しているという。

府警交通指導課によると、同社はモペットを免許が不要な「特定小型原動機付自転車」（特定小型）と偽っていた。こうした手口で業者を摘発するのは全国初。

モペットは、ペダルと電動モーターが付いている二輪車。大半が一般原付と分類され、乗るためには免許が必要となる。一方、特定小型は基本的にペダルはついておらず、構造上時速20キロ超の速度は出せず免許は不要。同社が販売していた車両は、ペダルをこぐことで時速20キロ以上での走行が可能となり同課は免許が必要と判断した。

書類送検容疑は共謀し、5年9月～6年8月、自社のモペットを「免許不要モデル」など特定小型として大阪市の小売店に48台販売し、約311万円をだまし取ったとしている。

同社は6年1月に府警から販売表記の指導を受けたが販売を継続。6年夏、同社のモペットを購入した男性が「店から免許がいらないと聞いた」と説明したため捜査を進めていた。

同社はこれまで同様の手口で140台以上を販売し、1千万円以上を売り上げていたとみられる。