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小林製薬が経営陣刷新 「物言う株主」オアシスとの委任状争奪戦へ

産経ニュース / 2025年1月21日 17時30分

小林製薬の「紅麹」成分のサプリメントを巡る健康被害問題を受け、コーポレートガバナンス(企業統治)が厳しく問われる中、同社は21日、山根聡社長が退任し、経営体制の刷新を図る人事案を3月の定時株主総会で提案すると発表した。また、大株主で「物言う株主」として知られる香港の投資ファンド「オアシス・マネジメント」から開催を求められた臨時株主総会を2月に開催することも決めた。オアシスは新たに社外取締役3人を選任することなどを求めており、選任を巡った委任状争奪戦に発展する。

オアシスは2024年12月下旬時点で、小林製薬の株式の保有割合を10%超とした。7月時点で5・2%、11月時点では7・54%と徐々に保有割合を高めている状態で、昨年6月時点の筆頭株主であった創業家出身の小林章浩前社長の12・46%に迫る水準となっている。

オアシスは昨年12月、抜本的改革が必要として、臨時株主総会の開催を求め、独立性が担保された再調査を実施し、調査役として弁護士の牛島信氏が就任することを提案。さらに新たな社外取締役3人の選任を要求した。

委任状争奪戦の前触れはすでに始まっており、オアシスは「取締役会の強化によるコーポレートガバナンスの改善を通して適切な品質管理体制・内部統制を構築する必要がある」などとする資料を公表し、小林製薬の株主に向けて「オアシスの株主提案に賛成票を投じるように要請する」と呼びかけている。

21日、小林製薬側が新たな経営陣を発表したのも、こうしたオアシスの動きへの対抗策の表れとみられる。同社は委任状の争奪を巡り、この日「今後、株主さまとのコミュニケーションを活発化させたい」などとした。

この日、会見した小林製薬の山根聡社長は、オアシス側が求める再調査は、信頼回復や再発防止策のために進めている施策を「停滞させかねない」とし、社員の「エンゲージメントの低下につながりかねない」と訴えた。しかし、今後、委任状争奪戦に発展し、注力することになれば、それこそが信頼回復や再発防止策の遅れを招く懸念もある。会長以下の経営陣刷新を図ろうと決めた今、失った信頼を取り戻すための強力な指導力を発揮して、健康被害を訴える人々への補償の本格化を進めなければならない。

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