高級ブランド、世界で苦戦でも日本は活況 円安でインバウンド殺到 中国人が牽引
産経ニュース / 2024年8月4日 17時0分
物価高や景気後退により世界的に高級ブランド品の売り上げが苦戦する中、日本での活況が際立っている。インバウンド(訪日客)には、円安の効果で自国よりも割安で購入できるためで、中国人客が消費を牽引(けんいん)。ブランドをテナントとする首都圏や関西の百貨店に客が殺到し、免税売り上げは過去最高を更新した。
「日本では主に中国や近隣のアジアからの顧客による旺盛な観光消費で利益を享受し、成長を続けている」。英バーバリー・グループは2024年4~6月期決算の発表で、日本市場にこのように期待感を示した。
同社の既存店売上高は世界全体で前年同期比21%減ったのに対し、日本は6%増。一方、伊プラダ・グループの同年1~6月期の売上高は世界全体で18%増だったが、日本で55%増を記録した。
日本で外国人による高額消費の恩恵を受けているのは百貨店だ。松屋銀座(東京都)では4月以降、売り上げの前年同月比は3割以上の増加が続く。特にインバウンドに人気の宝飾品や時計を含む「身の回り品」は、4月から3カ月連続で6割超の増加となった。
新型コロナウイルス禍前は全体の約25%水準だったインバウンドの売上高は、4月に初めて全体の5割を超え、7月までの4カ月間の平均もおよそ半分を占める。
大阪市内のある百貨店の担当者によると、コロナ禍前は化粧品など消費単価が比較的安い商品の大量買いが目立ったが、現在は高級ブランド商品の消費が中心。「ブランド品の値上げが相次ぐ中、中国で買うより3割ほど安いものもあり、需要が拡大している」とみる。
日本百貨店協会によると、今年1~6月の免税売上高の累計は3344億円と上半期で初めて3千億円を突破。6月の購買客数は57万9千人で過去最多となった。高級ブランド消費の主役は中国人だ。
「中国人客は客単価が(日本人客と)1桁以上違う」。大阪市内の百貨店の担当者はこう話す。この店舗では連日、高級ブランド店の前に列ができ、店内の大半が中国人客の日も珍しくないという。中国は景気減速が顕著となっており、少しでも安くブランド品を手に入れたいという心理も働いているとみられる。(清水更沙、小島優)
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