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大阪IR、政府仲介で決着 万博中の工事問題 露呈した府市と万博協会の調整不足

産経ニュース / 2024年9月10日 21時29分

来年4月に大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま、大阪市此花区)で開幕する2025年大阪・関西万博の期間中に、隣接地でカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の工事が行われる問題で、万博への影響を抑える工事方法などが合意された。IR事業者が出資する「大阪IR株式会社」の撤退の可能性も取り沙汰された混乱は、政府の仲介で決着した。この過程で明らかになったのは府市の調整のずさんさ。万博開幕とIR工事はこれからで、同様の事態を繰り返さない努力が求められる。

「問題が明らかになった当初から、日本政府が解決策を模索してくれている」

博覧会国際事務局(BIE)のケルケンツェス事務局長は8月末に来日した際、IR工事を巡る問題で政府の役割をそう評価し、IR事業者などから騒音が出ない工事手法などが複数提案されていると明かしていた。

ケルケンツェス氏は「(万博期間中に)IR工事が行われる事実を6月に初めて聞かされた。本当に驚いた」と疲れた表情で語った。激怒したBIE側は府市などに工事中断を要請した。

万博を運営する日本国際博覧会協会(万博協会)はそれまで、府市にIR工事に関する情報提供を求めていた。府市側は5月下旬に資料を提示したが、「騒音・振動レベルや景観は整理中」と記載。担当者は「万博会場の大屋根(リング)からの景観などは分からない」と話していた。

ただ、府市がIR計画を推進する以上、万博協会を通じてBIEに万博中の工事について伝わっているかを確認すべきだったはずだ。工事の中断は、IR完成の大幅遅れと「数百億円規模」(関係者)の追加費用の負担を事業者にもたらしかねない。採算悪化で、同社が撤退する可能性も否定できなかった。

約160もの国が参加する万博と、巨額投資が動くIRは両立できるのか。今後も関係者間の緊密な意思疎通が不可欠だ。(黒川信雄)

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