熱くはじける音楽フェス 音に包まれる至福の空間を味わってみませんか
産経ニュース / 2024年9月2日 8時0分
ロックやポップスなどさまざまなジャンルから多くのアーティストたちが一挙に出演する音楽フェスティバル。一日中、生の音楽に包まれ、その土地の雰囲気に触れ、飲食なども楽しめる。中でも、暑い季節の野外の音楽フェスは、また格別だ。炎天下だったり、突然の雨だったり、過酷な気象条件にもさらされるが、〝推し〟が出演するとあらば、もう行くしかない。若い世代の勢いに押されながらも、暑くて熱い至福の時間を過ごしてみた。
ゆったりと、でも〝推し〟の出番は汗まみれ
音楽フェスとは会場内に複数のステージがあり、同時進行的にライブが行われるイベント。音楽フェス研究者で関西国際大の永井純一准教授によると、日本では平成10年頃から大きな規模のものが行われるようになり、その数は今や年間400以上にのぼるという。
中でもフジロックフェスティバル(新潟県)やロック・イン・ジャパン・フェスティバル(千葉県、茨城県)、ライジングサンロックフェスティバル(北海道)、サマーソニック(千葉県、大阪府)は4大フェスとも呼ばれ、大規模な会場、動員数を誇っている。
20~30代の参加者が中心のように感じるが、「毎年のように訪れるリピーターが多く、二十数年続くフェスの歴史とともに参加者も年を重ね、40~50代以降の方もたくさんいらっしゃいますよ」と永井准教授。ゆったりと音楽に耳を傾けながら食事やお酒を味わう「大人の楽しみ方」も一興だ。
私もこの夏、新幹線と在来線を乗り継ぎ、とある音楽フェスに遠征してきた。
〝推し〟グッズのTシャツにタオルのほか、帽子、日焼け防止のアームカバーという完全防備。水やスポーツ飲料は自宅で凍らせ、保冷バッグで持参した。冷感シートを首に巻き、携帯扇風機で風を送るなど暑さ対策を尽くす。
いざ〝推し〟の出番ともなれば汗まみれではしゃぎ、ときには木陰のベンチで休み、自由な時間を心ゆくまで楽しんだ。
勢いを増す音楽フェス
「ぴあ総研」の調べによると、昨年1年間の音楽フェス市場規模は前年比35・4%増の390億円。動員数は同41・5%増の341万人にのぼったという。
新型コロナウイルス禍以降4年ぶりに「制限なし」の開催。声出しの全面解禁や、規模が拡大した大規模フェス、新しい音楽フェスの誕生などもあり、コロナ禍以前よりも市場規模と動員数が増えているという。
勢いを増す音楽フェスは、開催地にとっても地元の宝となり、地域創生の目玉の一つにもなりえる。
例えば、滋賀県で開催されているイナズマロックフェスは、「滋賀ふるさと観光大使」を務める歌手の西川貴教さんが主催。平成21年から開催され、行政や地域とともにつくり上げられている。
県知事らの開会宣言に始まり、観光PRなどを発信するブースも並び、出演アーティストを目当てに訪れた参加者にも印象づける。収益の一部は、琵琶湖の環境保全のために寄付されているという。今年も9月21、22日に開催予定で、県の担当者は「音楽を楽しみながら滋賀の魅力を知ってもらえれば」と期待する。
音楽フェスのチケットを、ふるさと納税返礼品とした自治体もある。
メトロックの愛称で知られるメトロポリタンロックフェスティバルの大阪での会場となる堺市は今年、チケットを返礼品に採用。全国から200件以上の寄付があった。市内外から多くの若い世代が集まる絶好の機会として、会場に市のブースを出したり、同市のイメージキャラクター「ハニワ部長」がPRしたりした。
中四国最大級の音楽フェス「モンスターバッシュ」の開催地、香川県まんのう町でも今年、返礼品に登場。町の担当者によると、2日間の開催日のうち1日は数週間で予定数に達したそうだ。
地域との協力模索
各自治体の担当者らは「音楽フェスで訪れた場所をまずは知って、繰り返し訪れてほしい」と願いをこめる。
永井准教授が実施したインターネット調査によると、「フェスで行った地域に愛着を持つことがある」という質問に、「そう思う」「まあそう思う」とこたえた人は約80%にのぼった。また、半数以上がその地域で「なるべくお金を使うようにしている」と回答したという。
「行政や地域社会と一緒に盛り上げていこうという模索が広がっており、協力体制が整いつつあるケースも増えてきている」と永井准教授。「ローカルな音楽フェスでその土地の雰囲気を感じながら音楽を楽しむのもおすすめ」だそうだ。
音楽イベントとしてだけでなく、その地域の魅力や雰囲気を知る絶好の機会。年中、国内のあらゆる地域で開催されている。さて、次はどこへ出かけようか。(田野陽子)
◇
50代真っただ中。まだまだ人生楽しみたいし、これからのことも気になる年代。興味のあるあれこれを深掘りします。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
ベストセラー絵本と「フェス」にある意外な共通点 絵本「100かいだてのいえ」面白さの本質を探る
東洋経済オンライン / 2024年9月3日 18時0分
-
「会場がスッカスカ」デーモン閣下も参加した音楽フェスがガラガラの惨状にネット衝撃
週刊女性PRIME / 2024年8月18日 20時0分
-
「夏フェスは儲かるのか」その答えはここに…初年度4億円の赤字を1年で半減させた"茨城の夏フェス"の正体
プレジデントオンライン / 2024年8月15日 9時15分
-
Creepy Nuts、大量の水とともにライブパフォーマンス 「S2O JAPAN」で会場一体
モデルプレス / 2024年8月11日 17時33分
-
5年ぶり復活「S2O JAPAN」3日間で放水量150万L 2万3千人がずぶ濡れに
モデルプレス / 2024年8月11日 17時11分
ランキング
-
1郵便ポストに“不適切な施工” 柱に継ぎ足し交換など480ヵ所 トラック事故きっかけに発覚 京都・滋賀
ABCニュース / 2024年9月3日 13時29分
-
2台風で急きょ下校繰り上げ、福岡市教育長が謝罪「風雨の中で登校させご心配おかけした」
読売新聞 / 2024年9月3日 16時2分
-
3日本の南海上に台風のたまごが続々 たまごの元”熱帯じょう乱”も 9月の台風はさらに危険!
RKB毎日放送 / 2024年9月3日 15時3分
-
4水星探査機、到着1年延期=エンジン不調で―JAXAなど
時事通信 / 2024年9月3日 14時21分
-
526メートルの巨木「真っ二つに」 樹齢3000年の屋久島「弥生杉」 キャンプ場では建物5棟が被害 台風10号
MBC南日本放送 / 2024年9月3日 19時58分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください