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観賞魚メダカ、滋賀の野外水域で初確認 琵琶博など発表、生態系に影響の恐れ

産経ニュース / 2024年9月3日 15時37分

大津市の池と琵琶湖南湖の湖岸で「第3の外来種」とされる観賞魚メダカが見つかり、滋賀県立琵琶湖博物館(草津市)などの研究グループが発表した。県内の野外水域で証拠に基づいて報告されたのは初めてとしている。近年の観賞魚ブームの中、意図的な放流などが原因とみられ、在来生態系に影響を及ぼす恐れがあるとして、観賞魚の放流に警鐘を鳴らしている。

多種多様な観賞魚メダカ品種が野外水域で確認される例は全国的に後を絶たない。人工改良品種の観賞魚メダカの野外放流は、交雑により野生メダカへの遺伝的攪乱(かくらん)などを起こす危険性があり、「第3の外来種」として生物多様性には大きな脅威となる。

龍谷大学生物多様性科学研究センターの伊藤玄客員研究員と琵琶湖博物館の川瀬成吾学芸員らの研究グループは昨年7月30日に大津市田上里町の池で、今年4月29日に琵琶湖南湖の湖岸で、それぞれ採集された魚類の形態的特徴を観察したところ、いずれも観賞魚メダカと特定した。

博物館によると、県内および琵琶湖・淀川水域の野外水域で観賞魚メダカが標本に基づいて記録されたのは今回が初めて。

池で採集された3個体は「青メダカ」に、南湖の1個体は「青体外光メダカ」または「幹之(みゆき)メダカ」に、それぞれ分類される。

青体外光メダカは、開放水面で周囲の水路とも接続している南湖で採集され、体外光メダカ類の中でも背面の虹色素胞が広範囲に発現する強スーパー光に分類される美しい個体。

青メダカが採集された場所は、周囲に接続河川がなく雨水や山の斜面からしみ出した水などが自然にたまった小規模な池。青メダカ3個体のうち1個体には脊椎骨の湾曲があり奇形とみなされるため、品種としては不十分な形質を理由に選別された個体であることが示唆された。

こうした個体の遺棄放流は、各地の野外水域で確認された観賞魚メダカにも共通しているという。

研究グループは「いずれも近年放流されたもので、周囲の在来のミナミメダカとの遺伝的攪乱が危惧される。観賞魚の放流は厳に慎まなければならないという認識を高める必要がある」としている。

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