山西惇「関西弁のリズム心地よい」 11月7日から朗読劇「一富士茄子牛焦げルギー」
産経ニュース / 2024年11月1日 17時0分
絵本作家、たなかしんの「一富士茄子牛焦げルギー(いちふじなすうしこげルギー)」がリーディングアクト(朗読劇)となり、11月7~10日、大阪市中央区の松下IMPホールで上演される。全編が関西弁で紡がれる笑いと切なさに満ちた家族の物語。「おとん」役の山西惇は「関西弁のリズムが心地よい、心にしみる芝居です」と語る。
餅が焦げへんようにしてください-。
物語は、おとんが夢で富士山に頼んだ〝しょうもない願い〟がかなってしまったことから始まる。原作は日本児童文学者協会新人賞を受賞した絵本。「おかん(母親)」を亡くした中学生の「ぼく」とその父親の「おとん」の軽妙なやりとりから、おかんを失った悲しみや苦しみに向き合う父と子の姿が笑いと涙の中に描かれていく。演出は河原雅彦。
令和3年の初演以降、毎年のように再演され、おかん役の羽野晶紀は今回で3度目の出演、ぼくを演じる岡﨑彪太郎(こたろう)は昨年に続いて2度目、おとん役の山西は初めての参加となる。
「奇妙だけど何だかめでたそうなタイトルに引かれて読んでみたら、テンポのいい関西弁に引き込まれて一気に最後まで読みました」と明かす山西。「軽やかに始まりながらものすごく深いテーマを抱えている。それが軽妙な大阪弁で語られるのがいい。僕は京都出身ですが、最近関西弁の芝居がなかったのでそれもうれしいですね」とも語る。
羽野も「おかんは愛着のある役。また、あのすてきな家族に会える」と喜ぶ。山西とは関西で演劇をしていた時代から約30年にわたる付き合い。山西は「私生活では僕も羽野さんも子供がいる。羽野さんはこういうお母さんやなあというのが本番で見えてくれば」と期待する。
岡﨑も「15歳の役なので新鮮さを大切に演じたい」といい、「この作品を演じて改めて親に感謝しましたし、見てくださった方がもっと家族や友達を大事にしてほしいと思いました」とかみしめるように語る。
朗読と絵と音楽の3つの要素で描くリーディングアクトという形式のため、せりふ以外に、地の文も俳優がしゃべれば、山西は劇中、中学生にもなる。
「普通の芝居やったらきついけど、朗読劇やからこそ、やれることがある」と山西が言えば、羽野も「リーディングアクトという新しいジャンルを楽しんで演じたい」と話した。問い合わせはリコモーション(06-6923-3535)。(亀岡典子)
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