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彫刻のエスキース、版画作品の味わい 大阪・心斎橋で彫刻家の舟越桂追悼展

産経ニュース / 2024年8月19日 14時30分

3月に72歳で亡くなった彫刻家、舟越桂(ふなこし・かつら)の追悼コレクション展が大阪市中央区心斎橋筋の「Yoshiaki Inoue Gallery」で開かれている。

会場は舟越が創造した首の長い両性具有のキャラクター作品「スフィンクスには何を問うか?」をメインに据え、その脇をブロンズ彫刻やドローイング、版画作品が固めている。とりわけ版画は銅版画、石版画、木版画と豊富なバリエーションをそろえている。

舟越はクスノキを素材にした彩色の木彫作品で具象彫刻に新風を吹き込んだ作家である。その作品は天童荒太の小説「永遠の仔」など、数多くの書籍の表紙を飾ったことでも知られている。

今回出展されているメイン作品のドローイングのように、舟越は彫刻作品を構想する際のエスキースの人気も高い。それを版画にした作品集も出版し、展覧会も開いているが、父で彫刻家の保武から「エッチングは力量以上の面白さが出てきたりするから気をつけなさい」と釘を刺されていたため、版画はしばらく先送り。真剣に取り組んだのは昭和62年からだったそう。

保武の言葉の通り、そこには彫刻作品とはまた違った「味」が生まれている。展示されているブロンズ彫刻「水のソナタ」の元となるエスキースを木版画にした「水のソナタ(アレグロ)」は、浮世絵の摺師だった戸田正とコラボレーションした力作で、木版画とは思えない仕上がりになっている。

また、バイオリニストをスケッチした「不規則な休止符」をドライポイントとアクアチントの技法で版画にした作品は楽器と弓を持つ手が逆転、銅版画の面白さを伝える。

約20点を展示、24日まで。問い合わせ06-6245-5347。(正木利和)

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