<モーロクらんらん>(92)大根の葉
産経ニュース / 2025年1月31日 7時0分
大根の葉が好きだ。ジャコと煮ておかずにする。ちょっとしたにがみというか辛味(からみ)がうまい。
そういえば、「二十四の瞳」で知られる小豆島生まれの作家、壺井栄に「大根の葉」という作品がある。仲間にうまくとけこめず、「大根の葉あがからかってえ」とからかわれる少年を描いている。
少年はいじめられているのだが、そのからかいは「大根の葉あが辛かってえ」、つまり、大根の葉を食べたら辛い、という意味だろうか。少年の祖母は豚の餌用に大根の葉をきざんでいるが、お前もあの辛い大根の葉を食べるのだろう、とからかわれたらしい。
ここまでの話をヒヤマさん(妻)にしたら、「子どものころ、うちでは大根の葉を牛の餌にしていたよ」と言った。大根の葉は豚や牛の餌だったのかも。
「流れ行く大根の葉の早さかな」。これは近代の代表的俳人である高浜虚子の作。上流で大根を洗っていて、不要な葉、あるいはちぎれた葉が下流へ流れて行く風景だ。不要なものへの注目というか、どうでもいいものをクローズアップしているが、これはいかにも俳句的な見方だ。芭蕉の「よく見れば薺(なずな)花咲く垣根かな」の類である。虚子のこの句、昭和3年の作だが、壺井の「大根の葉」は昭和13年に発表された。昭和の初め、大根の葉はまだそっけなく扱われていて、人のちゃんとした食べ物ではなかったのかもしれない。
実はボクも子どものころには大根の葉の辛味が苦手だった。ニンジン、ネギなどの野菜も苦手だった。年を取るにつれてそれらが次第に好きになり、老年に至ってからは、大根のすべて、すなわち葉までが大の好物になった。(俳人、市立伊丹ミュージアム名誉館長)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
『孤独のグルメ』に登場する「牛ご飯」を作ってみた! “麻薬卵”を崩して食べるアレンジを加えて絶品のタレの味を堪能する
ニコニコニュース / 2025年1月27日 11時0分
-
牛丼チェーン3社のカレー事情。辛さ自由自在、ワンコインでお釣り来る...あなたはどこ派?《1月22日はカレーの日》
東京バーゲンマニア / 2025年1月22日 17時33分
-
米津玄師、ガンダム主題歌オファーは「断る理由が見つからない」 幼少期からガンプラで慣れ親しむ
ORICON NEWS / 2025年1月20日 17時0分
-
辻希美、イオンスーパーでの購入品紹介「私と希空が好きで」「すぐ無くなっちゃって」 昔65キロ→47キロまで落ちたランチメニューも明かす
ねとらぼ / 2025年1月15日 18時8分
-
きりたんぽに肉を巻いて焼いてみた! 中から「ちょうど良くとろけたチーズ」が飛び出すのがうれしいレシピを紹介
ニコニコニュース / 2025年1月9日 11時0分
ランキング
-
1日本海側で大雪、交通機関に乱れ 富山では車の立ち往生発生
毎日新聞 / 2025年2月5日 18時17分
-
2ダイタク・吉本大さんと9番街レトロ・なかむら★しゅんさんがオンラインカジノで賭博の疑い 警視庁が事情聴取
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2025年2月5日 20時44分
-
3長崎原爆の無縁死没者名簿に1字違いの親族の名前「まさか」…遺族の問い合わせで身元判明
読売新聞 / 2025年2月5日 15時32分
-
4【速報】”画期的な判決”が確定 交通事故死した聴覚障害の女の子に「健常者と同額」の逸失利益を認めた大阪高裁 双方上告せず
MBSニュース / 2025年2月5日 14時10分
-
5八潮道路陥没の復旧工事、埼玉県補正予算案に40億円…再発防止へ下水道局定員を10人増
読売新聞 / 2025年2月5日 12時12分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください