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ジンベイザメの「おやつ」とは 餌探しで生活にリズム 海遊館ダイアリー

産経ニュース / 2024年9月7日 13時0分

9月に入りましたが、残暑が厳しいですね。まだまだアイスクリームなど冷たいおやつがうれしいです。

今回は、ジンベエザメの「おやつ」をご紹介します。といってもお菓子や甘いものを与えるのではなく、毎日午前10時半と午後3時の定時の餌を「主食」に見立て、それ以外の時間にも「おやつ」を与えています。

「おやつ」は元々与えていたわけではなく、ジンベエザメと同じ「太平洋」水槽で暮らすイトマキエイに餌を与えていたときに、食べこぼした餌が水中に漂うと、そこにジンベエザメが勢いよく突進してきて、いつもよりも豪快に餌を吸い込んだのです。

その様子はまるで、野生のジンベエザメが餌を食べる姿のようで「このような野性味のある行動をなんとか引き出したい!」という思いから「主食」以外に少量の餌、つまり「おやつ」を与えてみることになったのです。

また、自然の海でのジンベエザメの行動研究によると、餌を探すための行動を1日に7・5時間行っているという記録があり、海遊館でも餌を探す行動を少しでも長くとるように回数は1日2回以上とし、ジンベエザメにその時間を予測させないようにランダムに与え、しかも与え方も飼育員が水槽上の通路を動き回りながら与えるという「主食」とは別の方法にしました。

その結果「おやつ」を始める前後の遊泳行動を比較したところ、以前は単調に遊泳することが多かった時間帯に大きく口を開いたまま遊泳したり、水面近くを泳ぐ時間が増えたり、いつもより広く水槽内を泳ぐ行動が見られました。

いつ「おやつ」がはじまるのかわからない状況を作ったことで、「餌を探す」という本来の行動がいろんな時間に発現し、ジンベエザメの生活のリズムに刺激や変化を与え、また、遊泳行動のバリエーションが広がるアイテムになりました。

これからもジンベエザメの暮らしが少しでも豊かになるよう、いろいろなことを試していきたいと思います。(魚類担当飼育員 芳井祐友)

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