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関西3空港 新飛行ルート合意で発着50万回へ 首都圏追撃に神戸「国際化」成否がカギに

産経ニュース / 2024年7月16日 19時16分

関西国際、大阪(伊丹)、神戸の関西3空港の役割を官民で議論する「関西3空港懇談会」(座長=松本正義・関西経済連合会会長)が15日、大阪市内で開かれ、国が示していた関空、神戸空港の新飛行ルート案の来春導入に合意した。同時期に開幕する大阪・関西万博での受け入れ態勢が整い、3空港全体の年間発着回数を約3割増の50万回とする目標に道筋がついた。

新ルートでは、発着枠が関空で1時間当たり現在の45回から60回(混雑時の上限)になる。神戸は国内線で1日当たり80回から120回に拡大し、さらに令和12年をめどとする国際定期便の1日40回が加わる。

この結果、関空の年間発着上限が現在の23万回から30万回になるなど、3空港で50万回の容量を確保。ライバルとなる羽田、成田の首都圏空港が年間100万回を目指すなか「国内空港間での競争力確保のためにも極めて重要」(3空港懇事務局)だった。

今回の措置は、関空を神戸で補完することもポイントだ。需要予測では関空は12年度に上限の30万回に近付く見込み。神戸の国際化で海外需要を取り込む。

神戸では定期便に先立ち、万博開催時に国際チャーター便の就航を目指しているが、中国、韓国、台湾の航空会社数社が興味を示しているという。神戸市の久元喜造市長は「(新ルートによって)国際化が確実に進む」と歓迎する。

関西での訪日外国人観光客(インバウンド)拡大にはずみとなりそうだが、神戸の国際化について空港政策に詳しい福山大経済学部の野村宗訓教授は「ビジョンを考える必要がある。発着枠があっても航空会社が就航するわけではない。医療産業などの集積地であることを生かした国際会議や医療ツーリズムなど知恵が必要だ」と指摘する。

また、3空港全体でも就航拡大には不安材料が残る。航空業界を取り巻く人手不足だ。国の調査によると、駐機場周辺での航空機誘導などの地上支援業務で、昨春時点の従業員数は新型コロナウイルス禍前より1~2割減少。人手不足が就航の妨げになる可能性がある。関空で地上支援業務を行う事業者は「駐機場業務では採用に苦戦が続き、応募は少ない」と明かす。

また、旅客機用の燃料不足のため、成田空港、広島空港などで海外の航空会社が増便や新規就航できない事態が起きた。国内製油所から燃料を運ぶ船舶やタンクローリー運転手の不足などが要因だ。3空港を運営する関西エアポートの山谷佳之社長は「人手不足には経営課題として向き合う」と話す。(藤谷茂樹)

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