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「KIMONO」の伝統美をパリで発信、奈良のデザイナーがジャパンエキスポに出品

産経ニュース / 2024年7月9日 12時32分

五輪開催を控え、世界から注目が集まる仏・パリで11日から、「ジャパンエキスポ・パリ2024」が開催される。幅広い日本文化を紹介する総合博覧会に今回初出展するのは、着物の柄や色彩を生かし、ドレスや小物に仕立て直すデザイナーの釜谷春菜さん(38)=奈良県桜井市。着物になじみのない人でも手に取りやすい作品をそろえ、「着物の美しさを現地の人に体感してもらいたい」と意気込む。

花鳥風月の柄を大胆にあしらったアロハシャツに、金糸と銀糸がきらびやかに輝くバッグやポーチ…。いずれもジャパンエキスポ向けに、釜谷さんがアンティークの着物や帯からリメークした作品だ。

出展するのは、日本で活動するアーティスト向けの「WABI SABI」ブースで、割り当てられるスペースは幅3メートル、奥行き1メートル。自身の看板作品でもある着物ドレスを持ち込むことはあきらめ、手に取りやすい小物やシャツに絞った。

14日までの4日間で約70点を出品し、豪華な打ち掛けも飾る予定。「パリでは日本の伝統的なものが人気だと聞いたので、受け入れられるはず」と期待を込める。

着物好きな作家の玉岡かおるさんを母に持ち、子供のころから着物に親しんだ。「母は改まった場には着物姿で出席し、私たちにもお祝いのときなどに着物を仕立ててくれました」。とりわけ心をひかれたのは黒留め袖だ。深みのある黒で、裾には途切れることのない柄が彩られている。「凜(りん)としたたたずまいに目を奪われました」

大阪モード学園(大阪市)を卒業後、アパレル店員などを経験。転機は平成30年にリサイクルショップでシミのある着物を500円ほどで購入したことだ。「シミがついているだけで安く売られている着物がふびんで仕方がなかった」。シミのある部分を避けてワンピースに仕立てたら友人たちからも好評で、着物ドレスデザイナーとして踏み出す第一歩となった。

令和2年に桜井市内にアトリエを開いてからは、客が持ち込むなどした着物のリメークを手がけている。同学園で釜谷さんを指導した講師の東郷長子さんは「日本が誇る着物文化を現代のプレタポルテへと見事に昇華させた」と評価する。

昨秋には、カナダであでやかな振り袖などを使ったドレスを発表し、好評を得た。以降、制作の依頼は途切れず、工房の一角にはまだ糸をほどいていない着物が並ぶ。

「昔の着物は染めや織りなどすべてが手仕事。大変手間をかけて作られている分、今でも色あせないような美しさがある」と釜谷さん。「世界中の人に一つ一つの着物に込められた思いや日本の伝統と文化を今後も伝えていきたい」と話している。(木村郁子)

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