主役が同じだけど同じじゃない「ブラックペアン2」 イマドキTV+

「シーズン2」だというので、前作もネット配信でしっかり復習しましたよ。二宮和也さんがすご腕の外科医を演じている日曜劇場「ブラックペアン」（TBSテレビ系）。

トリッキーなのは、前作で主役の「渡海征司郎」を演じていた二宮さんが、2では「天城雪彦」という新キャラとして出演していること。渡海先生はいなくなっていて、「すごく似ているけれど別人」だという。

渡海と天城は抜群の腕を誇っているのも同じなら、「悪魔」と呼ばれるぐらい性格に難があるところも激似。渡海は「1千万円で手術してやるよ」などと言って同僚から金を巻き上げる守銭奴だったけれど、天城も「俺と賭けをして勝たないと手術してやんない」とか、医師にあるまじきことを言い放つ。

口調も所作もそっくりで、見た目の違いは銀髪になっているぐらい。主役を変えるわけにはいかないってのは大人の事情として、今後明かされていくであろう2人の関係性が気になるところです。

ドラマとしては、続編ならではの面白さをしっかり感じられる。同じ大学病院を舞台に、個性的なキャストが軒並み再登板。6年後という時間経過もいい具合だ。新米だった世良（竹内涼真さん）は今や仕事ができる医師という風情で、成長したよねぇとうれしくなったりして。

タイトルになっている黒いペアン（止血鉗子）の持ち主で外科教授の佐伯（内野聖陽さん）も病院長に出世していて、その権力欲はとどまるところを知らない。今度は日本医学会会長の椅子を狙っている。

個人的注目は看護師の猫田を演じる趣里さん。渡海の右腕だった前作と本作の間にNHK連続テレビ小説「ブギウギ」の主演を経て、存在感が増し増しだ。

シーズンを重ねるドラマは、くどくど説明しなくてもキャラの厚みが出るのがメリットの一つ。そんな中で、主役の別人キャラはどう生きるのか。あくまでも似ているだけで無関係を貫く?　それとも、じつは双子でした～なんていうのかなぁ。（ライター　篠原知存）