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女性の「一生の仕事」のモデルケースに 大阪けいさつ病院臨床工学技士 真住居美和さん プロフェッショナル 専門学校から

産経ニュース / 2024年12月25日 10時0分

JR環状線桃谷駅から西へ徒歩約10分にある総合病院「大阪けいさつ病院」(大阪市天王寺区)。医療技術部臨床工学科技士主任の真住居(ますい)美和さん(32)は、今や医療現場に欠かせなくなった医療機器を操作したり確認したりする臨床工学技士として働く。

宮城県で生まれ、大阪府泉南市育ち。今の仕事に就くきっかけは高校3年生までさかのぼる。

大学進学を志す同級生らが多い中、「進路案内で臨床工学技士という職業があるのを知り、目にとまった」という。「パソコンなどの機器類が好きで、いとこが医療職。それが合わさった仕事のようで面白そうだな」と関心を持った。

4年制大学に進む選択肢もあったが、選んだのは3年制で学べる滋慶学園グループの大阪ハイテクノロジー専門学校(大阪市淀川区)。「大学を調べたが臨床工学技士になれるかどうかも分からず、合格率の高い実績がある専門学校を選んだ」と明かす。

同校で学んだことで印象に残るのは実習室。人工心肺のポンプや血液浄化装置など本格的な医療機器があり「勉強段階で、仕事のイメージがしやすい環境。即実践につながる」と語る。

国家資格試験に合格し、平成26年に「一生の仕事にしたい」という思いで現在の職場に就職。当初の目標は「人工心肺の機器を一人前に動かしたい」と考え、3年目に医師の指示で人工心肺などの体外循環装置を操作する技術を持つ資格「体外循環技術認定士」を取得した。

このほか、手術や集中医療の関連機器など医療機器のスペシャリスト(専門職)として病院に欠かせない存在となった。

臨床工学技士の仕事は、医師や看護師らと連携して動くことも多く「周囲とのコミュニケーションも重要。医師らに自分の意見をはっきり言うこともある」と語る。「情に流されずやり切る」姿勢が大事という。

働いてみた実感は「学生時代に持ったイメージにプラスα(アルファ)があった」と語る。月日をへるたびに「新しい医療機器が増え、新たに覚えることも多い。ただ『患者第一』で働き、やりがいがあるから仕事を続けてこられた」と笑顔を見せる。

働き始めてからのこの10年間で結婚、出産も経験。育児休業も取得したが現場に復帰した。幼い子供2人を育てながら仕事に誇りをもって働いている。

ただ、定期的に夜勤や当直勤務もある忙しい仕事だけに、一般的に女性の臨床工学技士は、結婚や出産などを機に辞める人も少なくないという。自身は臨床工学技士に女性の後輩らが増えるためにも「結婚、出産しても働ける土台、モデルケースになりたい」と意気込む。(西川博明、写真も)

「臨床工学技士」になるには 国家資格の取得が必要で、合格率は8割前後(今年3月は79・5%)。受験資格を得るには高校卒業後、主に同技士の養成課程のある3年制の専門学校・短大か、4年制大学のいずれかで必要な課程を修める必要がある。

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